筑紫の国の片隅で…

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社会インフラの老朽化対策について

社会インフラの老朽化については、かなり以前から対策が必要であると、専門家などから提言が
なされていました。しかしながら、費用などの問題もあり政府は抜本的な対策を講じることなく
問題を先送りしてきました。かたや、地方自治体も公共事業費を新規のものに優先的に投資し
手間のかかる補修や改修などの維持管理を疎かにしてきたのが実情です。
無駄な箱物や必要ない道路を次々に造り、既存のインフラに対する安全管理を蔑ろにし、老朽化対策
のための費用など確保してきませんでした。
中央自動車道の笹子トンネルでの事故のように、犠牲者が出て対策を講じるのは論外なのです。
安全・安心に対する意識が希薄なため、そのための予算を削った結果の人災です。
国民の安全と安心を守るためにも、老朽化が進む社会インフラ対策とあわせて防振・防災対策にも
公共事業費を投資して整備することは必要なことなのです。
この件に関して「公共事業費のバラマキ」などと批判しているマスゴミは、国民の安全・安心など考える
必要はない、と言っているのに等しいのです。批判をするなら、その明確な根拠を示すべきです。

12月31日のブログで転載しました、現代ビジネス掲載の長谷川幸洋氏による『首相官邸人事は、・・・』
の記事の中で「内閣官房参与」について書かれていましたが、その中で藤井聡先生については、何も
紹介されていませんでしたので、少し補足をします。
藤井先生は京都大学大学院工学研究科教授で、公共政策に関する実践的な社会科学全般が専門。
デフレ対策には積極的な財政政策・公共事業をするべきであると主張される一方、構造改革や規制緩和
および地方分権などについては批判的な立場。国家基本問題研究所の客員研究員でもあります。
3.11震災直後から「老朽化対策」を提唱されており、安倍首相が言われる「国土強靭化論」は藤井先生
の概論がベースになっている、と言っても過言ではないと思います。

 

 

<参考1>
各種インフラの老朽化対策
『高度成長期に大量につくられた各種インフラ(橋、上下水道、ダム、堤防等)は、50 年が経過した
2010 年頃から急激に老化しており、いつ「壊れても」おかしくない状況にあり、「平時」において
も国民生活と日本経済の安全と安定が脅かされている状況にある。
その結果、今回の震災でも、適切な老朽化対策さえ施しておけば、破壊せずに済んだインフラも
多数あるものと想定される。
「列島強靭化」においては、この老朽化対策を徹底的に推進する。』

 

<参考2>
未来ビジョン『藤井聡、列島強靭化論2』 2012年10月
http://www.youtube.com/watch?v=Ire6tPBAOWY
・………………………・…………………………・………………………・………………………・
2012年12月27日の産経新聞に「内閣官房参与」任命の記事。
<内閣官房参与 飯島氏ら7人任命>
安倍晋三首相は26日、小泉純一郎元首相の政務秘書官を務めた
飯島勲氏ら7人を内閣官房参与に任命した。 飯島氏は特命担当。
ほかの6人は
▽丹呉泰健(やすたけ)(元財務事務次官、財政経済・社会保障担当)
▽浜田宏一 (米エール大教授、国際金融担当)
▽藤井 聡 (京都大大学院教授、防災・減災ニューディール担当)
▽本田悦朗 (静岡県立大教授、国際金融担当)
▽宗像紀夫 (元名古屋高検検事長、国民生活の安心安全担当)
▽谷内(やち)正太郎 (元外務事務次官、外交担当)
の各氏。
・………………………・…………………………・………………………・………………………・
藤井先生は「内閣官房参与」に任命されたことを、2012年12月27日付けのご自身のfaceで
報告され、その決意を表明されております。

『僭越ながら当方、内閣の皆様方のお取り組みに対する参与(アドヴァイザー)という立場を
命ぜられた次第でございますが、当方の担当として任ぜられました、防災減災ニューディール
/国土強靱化にお取り組みになられる、安部総理、麻生副総理・財務・金融担当大臣、太田
国交大臣、そして、古屋国土強靱化担当大臣をはじめとした内閣の皆様方を、「学者」としての
「参与」の立場から全力でご支援申し上げ、日本国家を強靱な、強くしなやかな国家とするため
の「強靱化」の国家的取り組みに対してまして、当方の立場で許される限りの全力を賭しまして
尽力して参りたいと思います。』

 

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

<参考3>~2011年1月20日 石 弘之(いし・ひろゆき) 環境学者


崩壊する米国のインフラ、後を追う日本

 

米国では、道路、橋梁、堤防、上水道管といったインフラの老朽化が進み、各地で崩壊や決壊などの
深刻な事態を引き起こしている。
大恐慌からの脱出をかけた1930年代から、戦後の60年代にかけてつくられた公共建造物が次々に
寿命を迎えているのだ。「インフラ・クライシス」として政治問題にもなっている。
近年の経済の低迷で、保守や整備に予算が回らないことが、事故続発の原因になっている。
これは人ごとではない。
日本も高度成長期以来、大判振る舞いした公共事業が、これから続々と寿命を迎える。
人口の高齢化だけでなく、公共設備の高齢化も頭の痛い問題だ。

○危険な橋梁
米国土木学会は、国内のインフラを15の部門に分けて、3年ごとにその状態を評価しているが、
最新の全体評価は5段階の「D」まで落ち込んだ。学校の成績でいえば落第寸前である。
同学会は、改善には5年間で5兆ドルが必要と算定しているが、2009年度予算で政府が認めた
インフラ整備費は720億ドルにすぎなかった。
1960年の米国の予算に占める公共事業費は12.5%だったのに対して、09年には2.5%しかなかった。
「祖父母から相続した見栄えは豪華な家に住んでいるが、修理もできずに内部はボロボロ」。
インフラの老朽化は、こんな比喩で語られる。とくに問題になっているのは、身近な存在の橋梁だ。
全米で60万基ある橋のうち27%で老朽化が進んで危険とされているのに、補修や更新が殆ど進まない。
この実態を知らしめたのが、07年8月1日に崩落したミネソタ州ミネアポリスのミシシッピ川に架かる州間
高速道路のミシシッピ川橋だ。上下8車線、全長580mもある大幹線である。
111台の車が川に転落し、13人が死亡、145人が負傷した。
原因は、構造材の接続部分の強度不足に老朽化が重なったもの、とみられる。
ニューヨーク市郊外のハドソン川にかかるタッパンジー橋も傷みがひどい。
55年に完成した4.8kmもある長大な橋だ。建設が朝鮮戦争期にぶつかり、資材不足から橋脚の基礎に
丸太を使わざるを得なかった。このため、船食い虫の食害や腐食が進んだ。橋を渡っていると、あちこちに
穴が開いていて川面が見えるほどだ。架け替えの構想はあり、設計は完了しているが、64億ドルもの巨費
が障害になって建設は進んでいない。
アイダホ州のドーバー橋は老朽化がひどく、いつ橋桁が落ちてもおかしくないといわれている。
37年に完成した橋は、土木学会による最近の強度評価で100点満点中わずか3点しかとれなかった。
周辺に迂回する橋がないので、速度や交通量を制限しながら使用している。
米国の橋梁の多くは、設計寿命が50年から75年とされる。現存の橋は、築後平均43年が経っており、
これからも続々とこの寿命に達する。

○寿命がきた高速道路
高速度道路の老朽化も目に余る。全米で約640万kmある道路網のうち、約7万6,000kmが米国の
動脈といわれる州間高速道路だ。
第二大戦中、ドイツに駐留した経験のあるアイゼンハワー大統領が、アウトバーンをモデルに56年に
建設を命じたものだ。1,460億ドルと16億tの資材を投入した史上最大の公共事業といわれる。
しかし、初期の完成部分は半世紀以上が経ち、予想をはるかに上回る交通量で傷みが激しくなった
ため3分の1は何らかの修理が必要とされる。
政府は年間670億ドルの補修費を支出しているが焼け石に水だ。
全米には延べ16万kmの堤防があるが、その現状は殆どわかっていなかった。
05年8月末にメキシコ湾岸を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」の襲来で堤防が決壊し、
ニューオーリンズ市街地の8割が水没、1,800人以上が死亡する大惨事になった。
堤防を管理する陸軍工兵隊が全国で緊急点検したところ、26州の177カ所でいつ決壊が起きるか
わからない老朽化が進行していたことが判明した。
さらに、全米で160万km以上ある上水道管の傷みも激しい。
09年には24万回の水道管破裂事故が発生した。
管の劣化による破裂、地盤沈下による破断、目詰まりなどが原因だ。
毎日、カリフォルニア州全域の給水量に匹敵する2300万m3が漏水しているという。
ニューヨーク州バッファローでは給水の40%、アトランタでは14%が漏出している。
メリーランドのシェビーチャイスでは、08年5月に30年代に敷設された幹線水道管が破裂して、
住宅街が水浸しになった。こうした事故は各地で発生している。

○大判振る舞いの開発のツケ
わが国でも、列島改造や高度成長に伴って公共施設に集中投資したツケがこれから回ってくる。
一斉に施設が老朽化する時期を迎えて、維持更新費がかさむことになり、国や地方自治体にとって
大きな負担となるのは避けられない。
戦後の日本を支配した保守党政権の政治は、つねに公共工事が最大の関心事だった。
公共工事の投資額は、田中角栄内閣の「日本列島改造計画」を受けて、74年度にはじめて10兆円
の大台にのり、81年度には20兆円台になった。
バブル崩壊後、不況脱出のための大判振るいもあって92度年には30兆円台になり、95年度には
35兆円を超えて史上最高を記録した。
だが、経済の低迷で00年度以後は減少が目立ち、10年度は13兆7600億円(前年度比18.6%減)と
大幅に減った。民間も含めた総建設投資は、96年度に約83兆円あったが、その後は減少傾向をたどり
10年度には約40兆円へと半減した。
公共建造物が寿命を迎えるところで財源不足に陥って、補修更新ができないという皮肉な巡り合わせ
になった。

○危機に突入する日本
コンクリートの耐用年限が50~60年とすると、早ければ20~30年以内に多くの公共事業の建造物が
大規模な補修や改築が必要になってくる。
橋梁、ダム、港湾岸壁、下水道管渠など、高度成長期に集中的に整備した社会インフラすべてが、
老朽化の危機にある。
国土交通省は昨年6月、「老朽化が進む道路やダムの維持管理や更新費用の増加で2037年度には
新規公共投資ができなくなる」という試算をまとめた。
たとえば、橋の耐用年数の目安は建設後50年で、「このころから致命的な損傷の発生リスクが急激に
高まる」といわれる。
全国で約14万ある橋梁の多くは経済の高度成長期につくられたものだ。
建設後50年以上を経過する「老朽化施設」の割合は、2009年には8%にすぎなかったが、
今後は加速して2019年に25%、2029年には51%と半数を超える。
堤防などの「河川管理施設」では、この数字が、約10%、約23%、約46%になる。
つまり、15年後には多くのインフラの4割以上が老朽化することになる。
25年ごろから、公共設備の建て替えや補修が集中することになるだろう。
国土交通省は昨年6月中旬、社会インフラの更新にかかる費用が今後50年間で190兆円に達すると
試算した。2010年度の公共事業費の水準が続くとすれば、30兆円分しか補修や更新に回らなくなる。
この事態を回避するには、インフラの寿命を延ばす対策が必要だ。
点検の回数を増やし、まめに補修するしかない。
鳩山・菅内閣で国土交通副大臣を務めた馬淵澄夫氏は「今後耐用年数を迎える社会インフラが増え
維持管理に莫大なコストがかかるようになる」として、新規インフラ建設に偏ってきた公共事業のあり方
を抜本的に見直す必要性を強調した。
すでに、10年度予算の公共投資額に占める新規事業と維持管理・更新費の割合は半分ずつになった。
ミネアポリス橋の崩落事故を受けて、国土交通省は全国の15m以上の橋を緊急点検した。
このうち9割の約13万5,000基は地方自治体の管理下にあるが、7県と567区市町村で橋の定期点検
をしていなかったことが判明した。
08年4月の調査時点で、地方自治体が管理する道路橋の121基が老朽化で通行止めになり、680基
で通行車両の重量制限をしている。
これらのすべてを架け替えや大規模修理で対応するとすれば、国や自治体は巨額な財政負担を強いら
れることになる。
工事による通行止めや迂回などで大きな経済損失が発生することも覚悟しなくてはならない。

○人口減少と高齢化が追い打ち
日本は、これから人類がかつて経験したことのない人口減少と高齢化社会に突入する。
総人口に占める65歳以上の人口は、現在約23%だが、35年には30%を超え、50年には36%に達する
と予測されている。人口が減少しても、上下水道、道路、橋梁、堤防などの公共施設は、それに比例して
縮小できるわけではない。
施設の維持費は人口に関係なく同じようにかかるので、一人当たりの負担が大きくなる。
四重の地獄が目前に迫っている。
(1)人口減少・高齢化による「需要の不足」
(2)予算縮小による「資金の不足」
(3)老朽化による「負担の増加」
(4)高齢化による「インフラの点検・管理の人材不足」である。
今から抜本的な対策を練り上げないと、とても国民はその負担に耐えられないだろう。
これからもあらゆる人工物が老朽化していく。
ほかにも電力送電システム、港湾施設、原子力発電所…といった“大物”が控えている。

70年代後半、ベトナム戦争直後の大不況期にニューヨークに駐在していたことがある。
マンハッタン島を一周する高架の自動車道路は、老朽化により数カ所で橋桁が落ちていて、地上を迂回
しなければならなかった。道路は穴だらけで、詰まった下水管から汚水が道にあふれていた。
破れた公共図書館の窓ガラスは、長い間、板を張っただけの状態にあった。
市民は「荒廃していく街」を呆然と眺めるしかなかった。
日本もこんなことにならなければよいのだが…
 

 

 

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