筑紫の国の片隅で…

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「文民統制」の危機を煽る朝日・毎日

防衛省設置法改正に関する報道において、軍事(自衛隊)をいつまでも悪い力として封じ込めたい朝日・毎日は、相変わ
らずイデオロギー優先の非現実的で、プロパガンダ的な印象記事に終始しています。
朝日は、「文民統制」が「文官統制」で強化されるとしていますが、現在の体制では、官僚の思惑により自衛隊が運用され
るだけであり、そこに官意はあっても民意は反映されないも同然です。朝日や毎日は、日本が普通の国になることが、許し
難いことだと思っているようです。
設置法12条が改正されても、防衛大臣が統括し、自衛隊の最高責任者は内閣総理大臣という文民統制の体制に何等
変わりはありません。
文民制度(シビリアンコントロール)は、民主主義国において軍事に対する政治優先、もしくは軍事力に対する民主主義的
統制を意味し、主権者である国民が、「選挙によって選出された国民の代表」を通じて、軍事に対する最終的判断、決定
権を持つということであり、国家安全保障政策の基本原則といえます。
また、背広組と制服組が相携えて政治家を補佐する仕組みは、米国や英国をはじめ諸外国では当たり前の体制です。
2014年3月末、背広組(事務次官を含)約2万1400人、制服組が約24万7700人で、背広組と制服組が縦割りで仕事
をしているため、風通しが悪いとの指摘もあります。
今回の改正により、官僚(背広組)によるチェック機能低下を懸念する声も有るようですが、軍事に関する事を殆ど学ばな
い素人官僚達に、迅速で適正的確な判断がどれ程出来るというのでしょうか?現場を知らない人間が、書類上で運用の
適否を判断するのですから、「事件は会議室で起きてるんじゃない!! 現場で起きてるんだ!!」、という青島刑事の叫びのよう
に、現場としては納得できない事が多々あったであろう事は想像に難くありません。
特に安全保障上でいう「現場」とは、一瞬の判断や指揮命令が遅れれば、即、『死』につながる「戦場」だということを意味し
ますから、事はより深刻です。
産経が2月24日の記事で、<これまでは統幕長が防衛相に報告する際、運用企画局長との連絡・調整が必要だった。
(略) 今回の法改正で、速やかな防衛相への報告が可能となり、文民統制が強化されることになる>としているように、
文官統制の弊害が解消され、現状に即した、より的確で迅速な防衛体制がとれるようになるはずです。
読売・産経の記事を読めば、朝日・毎日の主張が如何に的外れなものか、分かろうというものです。

2月24日 NHK 防衛省設置法
(NHKニュースより)

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2015年03月05日 読売新聞 【社説】より
防衛省改革 背広組と制服組を車の両輪に
「背広組」と呼ばれる防衛官僚と「制服組」の自衛官が、「車の両輪」として防衛相を支えることが肝要である。
防衛省が省改革の一環として、官僚と自衛官が対等であることを明確にした防衛省設置法改正案を近く国会に提出す
る。改正案は、官房長や局長が政策的見地、統合幕僚長と陸海空3幕僚長が軍事的見地から、それぞれ防衛相を補
佐すると規定した。
現行法12条は、防衛相が各幕僚長に指示する際、官房長らが補佐すると定めている。これを根拠に、予算や装備調
達、部隊運用などで官僚が主導権を握ってきた、との不満が長年、制服組にあった。
だが、自衛隊が国内外で活動する機会が増える中、制服組の発言権は徐々に拡大し、背広組が優位にあるとの実態
は薄れている。
今回の改正については、「文民統制(シビリアンコントロール)が弱まり、制服組に対する抑制が利きにくくなる」といった批
判があるが、的外れである。
文民統制とは、民主主義国家で軍事に対する政治の優先を確保し、文民が軍人への最終的な指揮権を有することを
いう。軍部の暴走を許した戦前の反省を踏まえた考え方である。背広組による制服組の支配ではない。
憲法66条は、首相や閣僚は「文民でなければならない」と明記している。これに基づき、文民の首相や防衛相が自衛隊
を指揮・監督する。国会も、法律制定や予算決定、出動時の承認などで自衛隊に対するチェック機能を果たす。
こうした二重三重の文民統制は改正後も全く変わらない。
改正案では、背広組の所掌事務に「総合調整」を加えた。部隊運用などの判断に背広組が引き続き関与することを担保
したものだ。制服組の判断だけで部隊が運用されることはあり得ない。
気がかりなのは、内部部局の運用企画局を廃止し、統合幕僚監部に部隊運用を一元化する組織改編がうまく機能する
かどうかだ。局長を通さず、制服組の情報を防衛相に直接報告する体制を強化することは、迅速性や効率性が増す面は
あるだろう。だが、自衛隊の海外派遣や日本周辺の警戒監視活動などには、軍事的な合理性だけでなく、他省との調整
や、政府としての総合的な政策判断が欠かせない。背広組の情報や知見は重要である。
背広組と制服組がコップの中の権限争いをせず、それぞれの持ち味を生かして、緊密に協力する文化を確立することが
大切だ。

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平成27年3月7日 産経新聞より
     3月7日 産経「主張」

          3月7日 産経 文官統制


「文官統制」めぐる混乱解消
政府は6日に閣議決定した防衛省設置法改正案で、自衛官を意味する「制服組」と文官を意味する「背広組」が対等な
立場で防衛相を補佐することを明確にした。
自衛隊を取り巻く環境の変化などで、文官が自衛官よりも優位に立つ「文官統制」の弊害が目立ち始めていることが背景
にある。政府は改正案の今国会成立を目指す。
「文民統制」と「文官統制」は紛らわしい言葉だ。
中谷元防衛相も6日の記者会見で「政府としては文官が自衛官をコントロールする『文民統制』という考えは取っていない」
と言い間違えている。
だが、2つの言葉の意味は異なる。文民統制はシビリアンコントロールの和訳。国民から選挙で選ばれた政治家による軍
の統制を意味するが、戦後日本では文官統制は文民統制を構成する要素だと捉えられてきた。
防衛省は設置法12条が文官統制を意味していないとの立場だが、就任前の中谷氏や石破茂元防衛相ら自民党の国防
関係議員は、12条を文官統制の法的根拠とみなしていた。これを制度として支えてきたのが、防衛参事官制度と内局の
運用企画局だ。防衛相を補佐する防衛参事官は背広組が独占していた。自衛隊の部隊運用(作戦)も内局の運用企画
局が一端を担ってきた。しかし、自衛隊の役割が災害派遣や国際協力活動などに広がり、文官統制の弊害が目立つよう
になる。
平成7年1月の阪神淡路大震災では内局への説明に時間がかかり、装備の搬入が遅れた。
20年2月のイージス艦衝突事故では背広組・制服組の二重体制が防衛相への報告遅れにつながった。
背広組の優位に対し、制服組に感情的なわだかまりもあった。
ある自衛隊幹部は「自衛隊のことをろくに知らない20代の内局官僚が窓口になる。これでは話が進まない」と指摘。
陸上自衛隊OBの佐藤正久参院議員も「若い防衛官僚が陸自1佐の机に足を乗っけて、お酌をさせている姿を見たことが
ある」と語る。
こうした一連の反省を踏まえ、防衛参事官制度は21年5月に廃止され、運用企画局も25年8月の「防衛省改革の方向
性」で廃止が決まっていた。
「12条の条文と趣旨が整合的でないといった批判もあった。今までの状態をより整理した」。中谷氏は6日の記者会見で、
今回の法改正で文官統制をめぐる混乱に終止符を打ちたい思いをにじませた。

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2015年03月02日 毎日新聞 【社説】より
防衛省改革 文民統制を貫けるか
防衛官僚(背広組)と自衛官(制服組)の関係が大きく変わりそうだ。
防衛省は、防衛官僚からなる内局で自衛隊の部隊運用を担当してきた運用企画局を廃止し、幹部自衛官からなる統合
幕僚監部(統幕)に一元化する。あわせて背広組の制服組に対する優位を示すと受け止められてきた防衛省設置法12
条を改正し、両者を対等と位置づける。
いずれも改正法案を3月に国会に提出し、10月からの実施を目指す。文民統制(シビリアンコントロール)の原則にかかわ
る問題であり、慎重な審議を求めたい。
日本は旧日本軍が暴走し無謀な戦争に突き進んだ反省から、民主主義的な政治が軍事に優先する厳格な文民統制の
制度をとっている。
運用企画局の廃止案は、民主党政権では文民統制上の懸念から見送られたが、安倍政権になって自民党国防族が中
心になって推進してきた。
自衛隊の運用とは、行動(作戦)計画を立てるなど実際に部隊を動かすことだ。統幕から見れば、軍事専門知識を持たな
い運用企画局から口をはさまれ、迅速な対応ができない不満があった。
改正案では運用企画局を統幕に一元化し、制服組トップの統合幕僚長が運用について防衛相を直接補佐できるようにす
る。ただし統幕長の下に文官ポストを新設し、省庁間調整や対外説明を担当させる。
一方、防衛省設置法12条は、防衛相が統合幕僚長や陸海空の幕僚長を指揮・監督する際、背広組の官房長や局長が
防衛相を補佐する規定だ。
文民である防衛相が自衛隊を統括するのが文民統制だが、これを補い、背広組の防衛官僚が政策的見地からチェックを
働かせる狙いがある。だが、制服組からは「文官優位」や「文官統制」といった、背広組との上下関係を示す条文と受け止
められ、廃止論が強かった。改正により、背広組と制服組が対等の立場で防衛相を補佐できるようにする。
制服組の不満は理解できる面もある。一連の改正により業務の効率化や迅速な対応が、より可能になることはあるだろう。
だが自衛隊という武力を持った組織の運用は、慎重の上にも慎重を期す必要がある。
災害派遣、国連平和維持活動(PKO)、ミサイル対応などで自衛隊の部隊を動かす際、統幕長が背広組を通さず直接、
防衛相に運用計画を上げ、命令を受けられるようになり、政策的チェック機能が弱まる可能性がある。軍事的見地からの
必要性に力点を置くあまり、制服組に都合のいい情報が防衛相に優先的に上がる可能性も排除できない。
軽々に進めていい話ではない。議論をもっと深めるべきだ。

(筆者つぶやき…この社説は突っ込みどころが多いですが、2月27日の記事は事実関係をまじめに報じていました)

2月27日 毎日 防衛省設置法改正

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2015年2月25日 朝日新聞デジタル【社説】より
自衛隊の統制 抑制が生み出す信頼
「制服組」と呼ばれる陸海空の自衛官より、「背広組」と呼ばれる内局官僚が優位に立つ――。
そんなこれまでの仕組みを、防衛省が見直すという。実現すれば、制服組は背広組と対等の立場になり、制服組の軍事
的な意見が政治に反映されやすくなる可能性がある。
こうした防衛省内の力関係の変化が、自衛隊にどのような影響を及ぼすのか。文民統制(シビリアンコントロール)を担保す
る観点から懸念がある。
文民統制は、軍事に対する政治の優位を意味し、ひいては有権者が内閣や国会を通じて自衛隊をチェックすることだ。
日本では文民統制を確保する手段のひとつとして、背広組が防衛相を補佐する体制をとってきた。戦前・戦中に軍部が
暴走して無謀な戦争に突き進んだ反省から生まれた措置である。
旧日本軍と別の組織だとはいえ、自衛隊は武力行使ができる唯一の組織であり、政治が統制しなければ民主主義の基盤
を損ないかねない。背景にはそんな考え方がある。
補佐体制があることで、防衛相が自衛隊部隊への命令を出すときや、自衛隊から防衛相に連絡をするときは背広組を通
す仕組みになっていた。政治と軍事の距離を保ち、政策的な見地から一定のチェック役を果たしてきたと言える。
だがそれは、ともすれば制服組からは迂遠(うえん)な回路にみえる。実際、背広組の介在によって防衛相への情報伝達
が遅れたとの指摘もある。
国連平和維持活動(PKO)や災害派遣の実績を重ねてきた自衛隊への信頼が増し、制服組の発言力が強まっている。
現在の中谷防衛相は自衛官の出身だけに、制服組の立場の向上に熱心に取り組んできた。
制服組が直接、防衛相に情報をあげ、指示を受ければ、自衛隊の対応は素早くなるだろう。一方で、背広組が意思決定
の蚊帳の外に置かれれば、文民統制に影響を及ぼす恐れがある。関連する予算や人事も制服組が握るのか、国会答弁
も担うのかといった課題もある。
自衛隊はこれまで抑制的な姿勢に徹してきたからこそ、幅広い国民の信頼を受けている。制服組の矜持として、そのこと
を忘れるべきではあるまい。
政治の責任はきわめて重い。集団的自衛権の行使を認めた閣議決定を受け、新たな安全保障法制が焦点となる今国会
は、文民統制を洗練させる機会でもある。国会の関与を含め、自衛隊を統制する確かな方策を講じなければならない。

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2015年2月24日 朝日新聞デジタルより
「文官統制」見直し法案 制服組、背広組と対等 防衛省方針
防衛省は、文官である背広組(内局)が制服組(自衛官)を監督する根拠となってきた防衛省設置法の条文を見直す方
針を固めた。同法改正案を今国会に提出する方針だが、背広組を制服組より優位としてきた「文官統制」の大きな転換と
なるだけに、国会でも議論を呼びそうだ。
「文官統制」の仕組みができたのは、戦前・戦中の軍の暴走の反省からだ。
文民である防衛相が自衛隊を統制するのが「文民統制」。その防衛相を政策の専門家である「文官」の背広組が支えるの
が「文官統制」だ。「文官統制」をとり入れたのは、制服組への統制をより強化する狙いがあった。
その根拠になってきたのが、防衛省設置法12条だ。ここでは、防衛大臣が、制服組のトップである統合幕僚長や陸海空
の幕僚長らに対して指示を出したり、監督をしたりする際、背広組の幹部である局長や官房長が大臣を「補佐する」と定め
られている。これが根拠になり、防衛相が自衛隊部隊への命令や人事を出す際や、自衛隊から防衛相に連絡する際は、
背広組を通す仕組みになっていた。
一方で、制服組の中には「部隊の運用になぜ内局が口を出すのか」などの不満が根強くあった。
今回の改正案では、局長と官房長、それぞれの幕僚長とが対等に、防衛相を補佐する仕組みとする。
ミサイルへの対応や大規模災害などの危機対応の際に、背広組を通さずに部隊から直接、防衛相に連絡が上がるように
なるほか、防衛相から各幕僚長を通じて部隊に直接指示が出されることになるなど、制服組の影響力が強まることにつな
がる。 (三輪さち子)


制服組、増す影響力 揺らぐ「文官統制」 防衛省設置法改正案
「文官統制」の象徴だった防衛省設置法12条の改正に同省が乗り出した。
防衛省は、自衛隊の効率化や意思決定の迅速化などを理由に掲げるが、制服組(陸海空の自衛官)の影響力は増大
する。背広組(文官の防衛省職員)の影響力低下で、現場の自衛官の暴走が万一にもないのか。チェック態勢の確保
に加え、防衛相の責任が一層問われる。
同法12条をめぐっては、撤廃したい制服組と、残したい背広組との間で長年のせめぎあいがあった。「12条そのものを
削除すべきだ」との意見もあったが、背広組と制服組が対等に防衛相を補佐する条文案で折り合った。
見直しを求めてきたのは、自衛官出身の中谷元防衛相や自民党国防族の石破茂元防衛相らだった。
議員らは、2008年にイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、現場から防衛相に報告が上がるまで、約1時間40分
かかった例を挙げる。内局の複数の部署のやりとりに時間を取られたためだ。
中谷氏は著書で、「オペレーション(部隊運用)と訓練は、各幕僚長や統合幕僚長が直接、大臣・官邸・総理に連絡し、
指示をもらうことを徹底すべきだ」と主張していた。今回、改正法の検討に至ったのは、中谷氏が防衛相に就任したこと
も大きい。
今回の改正案では制服組の権限が大幅に強化されることになり、制服組は歓迎している。
将官級の自衛隊幹部は「運用の専門家でもない内局職員(背広組)が大臣と統幕長の間に関与すること自体、論理矛
盾だった」と語る。
設置法改正案では、内部部局の運用企画局を廃止し、運用担当の内局職員も統合幕僚監部のスタッフになり、制服組
トップの統合幕僚長が自衛隊の運用について防衛相を直接補佐する仕組みに変わる。別の自衛隊幹部は、「背広組は
政策的な見地から判断をして、制服組は軍事的な見地から判断する。それぞれが車の両輪で支える」と話す。
一方、権限が縮小されることになる背広組幹部は「部隊の運用に関わる判断を制服組に任せて、本当に政策的な判断が
できるのだろうか」と懐疑的だ。
制服組にも権限の拡大を自戒する声がある。海自幹部は法改正を歓迎しつつも、制服組は自衛隊の運用の補佐に徹す
べきだ、と強調する。この幹部は、「『運用は制服の聖域』から始まって、軍部が政策、政治にまで介入していったことが戦
前の教訓。我々は絶対そこを超えてはいけない」と話す。 (三輪さち子、土居貴輝)

<考論>早く的確に反応できる
元陸将の志方俊之帝京大教授(安全保障)
小笠原、伊豆両諸島の周辺に統率のとれた中国漁船が続々とやって来る。ある日、突然、中国の漁民が尖閣に上陸す
るかもしれない。冷戦時代と違って、より迅速な対応が求められており、法改正は必要だ。
自衛隊を使う理由や制御を考えるのは「背広組」の仕事。一方、「制服組」が部隊の運用を考える。二つをわけた方が、
こうしたグレーゾーン事態により早く的確に反応できるはずだ。
制服組が何もかもやるということではない。防衛相は文民だ。文民統制は変わらない。部隊行動基準をあらかじめ決めれ
ば歯止めになる。法改正によって、制服組が暴走するという批判は当たらない。

<考論>統制へ新たな方策必要
青井未帆・学習院大教授(憲法)
「背広組」の要だった防衛参事官制度の2009年の廃止など文官優位は崩れつつあったが、法改正で完全に崩れるだ
ろう。本来、軍事を統制する立場にある政治家の足りない部分を補ってきたのが背広組と呼ばれる防衛官僚だった。
その力を弱め、「制服組」を強めれば軍事を統制するバランスは変わる。集団的自衛権など、防衛をめぐる論議はより専
門性を増している。政治家の質が変わらないなかで、首相、防衛相、国会に本当の意味で制服組を統制できるか心配
だ。政治家は「自分たちを信用してくれ」と言うだろう。だが、バランスを変えるのなら統制のための新たな方策が必要だ。
(聞き手・いずれも斉藤佑介)

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2015年2月24日 産経ニュースより
防衛省設置法改正で文民統制強化「背広組優位」の誤解払拭
防衛省は自衛隊各幕僚監部(制服組)に対する内局(背広組)の優位を規定したとされることもあった、防衛省設置法
12条を改正し、「内幕対等」を明確化する方針を固めた。また、部隊運用権限を統合幕僚監部に一元化し、運用に関
する報告をシビリアン(文民)である防衛相に直接行いやすくする。
中谷元防衛相は24日の記者会見で、「設置法12条の改正で、より一層シビリアンコントロール(文民統制)が強化される
という結論に至った」と強調した。
現行設置法は、内局の官房長や局長が防衛相を「補佐」するとした上で、防衛相は陸海空自衛隊と統幕に対し
(1)指示 (2)承認 (3)一般的監督-を行うと規定している。この規定により、局長らが自衛隊に「指示」「監督」を行うと
誤解されかねないとして、国会審議や自衛隊内から批判があった。
設置法改正で、内局が政策面で防衛相を補佐し、自衛隊は軍事面で補佐することを明確にする。
また、内局と統幕の役割に重複があった部隊運用の権限を統幕に一元化し、内局の運用企画局を廃止する。
これまでは、統幕長が防衛相に報告する際、運用企画局長との連絡・調整が必要だった。
文民統制は、背広組が制服組を統制する「文官統制」と混同されることもあるが、本来は国民から選挙で選ばれた政治家
による統制を意味する。今回の法改正で速やかな防衛相への報告が可能となり、文民統制が強化されることになる。

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ちなみに、福岡の地元紙の西日本新聞も朝日と同じ論調となっていました。

2月22日 西日本 文官統制廃止へ
(2015年2月22日 西日本新聞より)

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<参考・その1>
数多久遠のブログ シミュレーション小説と防衛雑感 2015年2月28日より
安倍政権がシビリアンコントロールを廃止?
http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-ead9.html

文官統制と文民統制は別物です。(略)
これら(捕捉:新聞各紙の記事)を読み比べても、この「文官統制」が、日本の安全保障に今までどのような悪影響を及ぼ
してきたのか、廃止でどう変わるのか、そしてシビリアンコントロールに悪影響はないのかは殆ど分からないと思います



<参考・その2>
『GLOBE』(朝日系)に書かれている事例・・・確信犯的直訴の事例
http://globe.asahi.com/movers_shakers/091102/01_02.html

3月1日 GLOBEの記事



<参考・その3>
2015年3月5日 JBpressより
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43098

日本人は世界で最も危険な民族なのか?
防衛省設置法改正に「文官統制」なる造語を使い噛みつく大メディア

政府は防衛省設置法改正案に防衛官僚(背広組)と自衛官(制服組)の位置づけを見直す法案を今国会に提出する。
防衛官僚と自衛官双方の縦割りを解消して、自衛隊の部隊運営などの効率化を図ることを目的とするものだ。
この記事が出た途端、早速日本のメディアは、またぞろシャドウボクシング的な見出しを掲げて、ありもしない危機を煽り
出した。

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<参考・その4>
2014年3月28日 産経ニュース 【正論】より

歪んだ「戦力」「文民」の憲法解釈

《芦田修正考慮せぬは大問題》
憲法9条に関する政府解釈の最大の問題点は、いわゆる芦田修正を全く考慮に入れていないことにある。(略)
芦田修正とは、帝国議会に提出された政府案の9条2項に、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とある文言
の冒頭に、「前項の目的を達するため」の字句を加えて「自衛のためならば、陸海空軍その他の戦力」の保持を可能にす
るというものである。昭和21年8月、芦田均を委員長とする衆議院の帝国憲法改正小委員会で決められたことから芦田
修正といわれている。芦田は32年12月5日、内閣に設けられた憲法調査会で修正の理由について、こう証言している。
「私は、一つの含蓄をもってこの修正を提案したのであります。原案では無条件に武力を保有しないとあったものが、修正
によって、一定の条件のもとに武力を持たないということになります。そうすると、この修正によって原案は本質的に影響さ
れるのであって、したがって、この修正があっても第9条の内容に変化がないということは明らかに誤りであります」
芦田修正に対し敏感に反応したのが、日本を管理するために連合国が設けた極東委員会である。
委員会では、芦田の意図を踏まえて真剣な討議が行われた。
中国代表は21年9月21日、「修正によって、自衛のためであれば軍隊の保持が可能になろうと考えるのが常識である」
と語っている。
カナダ代表は、「将来、陸軍大将、海軍大将その他の将官が存在するであろうことは全く考えられ得る。全大臣がシビリア
ンでなければならないという規定があれば、現役の将官が大臣に任命される可能性はない」と発言した。

《極東委員会の議論知らず》
こうして委員会は連合国軍総司令部(GHQ)を通じて、憲法に大臣がシビリアンでなければならないとする条項を導入す
るよう強く働きかけた。
芦田修正で自衛の軍隊が創設される → 軍人が輩出する → 軍人が大臣になって政治をコントロールする(ミリタリー・
コントロール)状況が懸念される → それを阻止するにはシビリアン大臣制の条項を設けなければならない ---という思考
回路である。そうした背景で半ば強制的に押し込まれたのが、66条2項(「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でな
ければならない」)だ。こうしてみると、文民条項と芦田修正とは不可分の関係にあることが明白に分かる。
ところが、当時の政府は、極東委員会でどんな議論が行われていたかを全く知らなかった。それゆえ、「文民」と「戦力」を
無関係のものとして解釈するに至った。
まず「文民」については、憲法議会で公職追放の一環と捉え、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、武官の経歴を有しな
い者でなければならない」という条項にすることを提案している。
憲法施行後には自衛官を「文民」に入れていたが、昭和40年以降は憲法解釈を変更し、「現職自衛官は文民にあらず」
とした。今では「文民にあらざる者」に、現職自衛官のほか「旧職業軍人であって軍国主義的思想に深く染まっていると考
えられる者」を含めている。この解釈自体、実におかしい。
「軍国主義的思想に深く染まっていると考えられる」ことの判断を誰が、どんな基準で行うのか。国際標準では軍籍を離脱
すれば、思想を問うことなしに全て「文民」であるとされている。

《集団的自衛権の解釈も同根》
一方、政府は、「自衛のためといえども戦力の保持は認められない」という解釈に固執しているため、「戦力」の解釈をめぐ
って二転、三転してきている。
保安隊設置時には、「近代戦争を有効適切に遂行するに足る実力」と解していたが、自衛隊の発足に伴い、この解釈を打
ち止めにした。自衛隊を「近代戦争を有効適切に遂行するに足る実力」と認定したわけだ。そして、「自衛のため必要最小
限度を超える実力」という現行解釈に至っている。
だが、「自衛のため必要最小限度」とはどの程度なのか。自衛隊の装備、規模などが拡充されるに従い、繰り返し疑問が
提起されてきているところである。
今や、世界有数の実力集団たる自衛隊を「戦力にあらず」と言い続けるのは、非常識のそしりを免れまい。
このようないびつな解釈をとってこざるを得なかったのは、畢竟(ひっきょう)するに、芦田修正と文民条項の不可分性を、
当事者たるべき政府も議会も、知り得なかったという当時の憲法成立事情と深い関係がある。
異常な成立過程の生んだゆがんだ憲法解釈、それが憲法9条の「戦力」解釈であり、66条2項の「文民」解釈なのであ
る。集団的自衛権の行使に関する政府解釈も、このような脈絡から検証される必要がある。
(駒沢大学名誉教授・西修)




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