筑紫の国の片隅で…

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安倍総理 記者会見(全文)

11月18日、安倍総理は首相官邸で会見を開き、今月21日に衆議院を解散し、年内に総選挙を行うことを表明しました。
また来年10月に予定されていた消費税率の10%への引き上げについては、「16カ月延期すべきだとの結論に至りました」と語りました。

平成26年11月18日 首相官邸HPより

安倍内閣総理大臣記者会見
http://youtu.be/5xvVfqwtQxI

11月18日 安倍総理記者会見

【安倍総理冒頭発言】

本年4月より8%の消費税を国民の皆さんにご負担いただいております。5%から8%へ、3%への引き上げを決断したあの時から、
10%へのさらなる引き上げを来年10月に行うべきかどうか、私はずっと考えてきました。
消費税の引き上げは、我が国の世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡し、そして子育て支援を充実させていくために必要
です。民主党政権時代に私たちは野党ではありましたが、税制改革法案に賛成いたしました。しかし、消費税を引き上げることによっ
て景気が腰折れしてしまえば、国民生活に大きな負担をかけることになります。そして、その結果、税率を上げても税収が増えないと
いうことになっては、元も子もありません。
経済は生き物です。昨日、7〜9月のGDP速報が発表されました。残念ながら成長軌道には戻っていません。消費税を引き上げるべき
かどうか、40名を超える有識者の皆さんからご意見を伺いました。そして、私の経済政策のブレーンの皆さんからご意見を伺い、何度
も議論を重ねてまいりました。そうしたことを総合的に勘案しデフレから脱却し、経済を成長させる「アベノミクス」の成功を確かなもの
にするため、消費税10%への引き上げを来年10月には行わず、16カ月延期すべきだとの結論に至りました。
しかし、ここで皆さまに申し上げておきたいことは、「三本の矢」の経済政策は確実に成果を挙げつつあります。
経済政策においてもっとも重要な指標は、いかなる国であっても雇用であり、賃金であります。政権発足以来、雇用は100万人以上増
えました。今や有効求人倍率は22年ぶりの高水準です。この春、平均2%以上、給料がアップしました。過去15年間で最高です。
企業の収益が増え、雇用が拡大し、賃金が上昇し、そして消費が拡大していく。そして、景気が回復していくという「経済の好循環」が
まさに生まれようとしています。ですから私は何よりも、個人消費の動向を注視してまいりました。
昨日発表された7月から9月のGDP速報によれば、個人消費は4〜6月につづき、1年前と比べ2%以上減少しました。現時点では3%
分の消費税率引き上げが、個人消費を押し下げる大きな重しとなっています。本年4月の消費税率3%引き上げに続き来年10月から
2%引き上げることは、個人消費を再び押し下げデフレ脱却も危うくなると判断いたしました。
9月から政労使会議を再開しました。昨年この会議を初めて開催し、政府が成長戦略を力強く実施する中にあって、経済界も賃上げ
へと踏み込んでくれました。「ものづくり」を復活させ、中小企業を元気にし、女性が働きやすい環境を作る、成長戦略をさらに力強く
実施することで、来年の春、再来年の春、そしてそのまた翌年の春、所得が着実に上がっていく状況を作り上げてまいります。
国民全体の所得をしっかりと押し上げ、地方経済にも景気回復の効果を十分に波及させていく、そうすれば消費税率引き上げに向け
た環境を整えることができると考えます。そのためにも個人消費のテコ入れと、地方経済を底上げする力強い経済対策を実施します。
次期通常国会に、必要となる補正予算を提出してまいります。
財政再建についてお話しいたします。「社会保障と税の一体改革」法では、経済状況を見て消費税引き上げの是非を判断するとされ
ています。今回はこの景気判断条項に基づいて、延期の判断をいたしました。しかし、財政再建の旗を降ろすことは決してありません。
国際社会において我が国への信頼を確保しなければなりません。そして、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たしてまいり
ます。安部内閣のこうした立場は、一切揺らぐことはありません。
「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後にさらに延期するのではないか?」といった声があります。再び延期すること
はない、ここで皆さんにはっきりと、そう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく、確実に
実施いたします。「3年間、三本の矢をさらに進めることにより、必ずやその経済状況を作り出すことができる」。私はそう決意しており
ます。
2020年度の財政健全化目標についても、しっかりと堅持してまいります。来年の夏までに、その達成に向けた具体的な計画を策定
いたします。経済再生と財政再建、その2つを同時に実践していく、そのための結論が本日の決断であります。
ただいま申し上げた内容を実現するために、来年度予算の編成にあたるとともに、関連法案の準備を進め、来年の通常国会に提出
いたします。このように国民生活にとって、そして国民経済にとって重い重い決断をする以上、すみやかに国民に信を問うべきである。
そう決心いたしました。今週21日に衆議院を解散いたします。
消費税の引き上げを18カ月延期すべきであるということ、そして、平成29年4月には確実に10%へ消費税を引き上げるということに
ついて、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略を前に進めていくべきかどうかについて、国民の皆さまの判断を仰ぎたいと思いま
す。
なぜ今週の解散か説明いたします。国民の皆さまの判断を仰いだ上で、来年度予算に遅滞を引き起こさないギリギリのタイミングで
あると考えたからであります。現在、衆議院において私たち連立与党、自民党・公明党は多くの議席をいただいております。本当に有
り難いことであります。「選挙をしても議席を減らすだけだ。何を考えているんだ?」という声も承知しております。戦いとなれば厳しい
選挙となることは、元より覚悟の上であります。しかし、税制は国民生活に密接に関わっています。「代表なくし課税なし」、アメリカ独
立戦争の大義です。
国民生活に大きな影響を与える税制において重大な決断をした以上、また私たちが進めている経済政策を……。賛否両論あります。
そして抵抗もある。その成長戦略を国民の皆さんと共に進めていくためには、どうしても国民の皆さまの声を聞かなければならないと
判断いたしました。「信無くば立たず」。国民の信頼と協力なくして、政治は成り立ちません。
今、アベノミクスに対して「失敗した」「うまくいっていない」というご批判があります。しかし、ではどうすればいいのか。具体的なアイデ
アは、残念ながら私は一度も聞いたことがありません。批判のための批判を繰り返し、立ち止まっている余裕は、今の日本にはないの
です。私たちが進めている経済政策が間違っているのか正しいのか、本当に他の選択肢があるのかどうか、この選挙戦の論戦を通じ
て明らかにしてまいります。そして、国民の皆さまの声を伺いたいと思います。
思い返せば政権が発足した当初、大胆な金融緩和政策に対しては反対論ばかりでありました。法人税減税を含む成長戦略にも、さま
ざまなご批判を伺いました。しかし「強い経済を取り戻せ」。それこそが、2年前の総選挙で私たちに与えられた使命であり、国民の声
である、そう信じて政策を前へ前へと進めてまいりました。岩盤規制にも挑戦してまいりました。あれから2年、雇用は改善し賃金は上
がり始めています。ようやく動き始めた経済の好循環、この流れを止めてはなりません。
15年間、苦しんできたデフレから脱却する、そのチャンスを皆さん、ようやく掴んだんです。このチャンスを手放すわけにはいかない。
あの暗い混迷した時代に再び戻るわけにはいきません。デフレから脱却し、経済を成長させ、国民生活を豊かにするためには、困難な
道であろうとも、この道しかありません。景気回復、この道しかないんです。
国民の皆さまのご理解をいただき、私はしっかりとこの道を進んでいく決意であります。 私から申し上げたいことは以上であります。


【質疑応答】 ( http://youtu.be/Jan97p5SIqk

幹事社のNHKの原と申します。
今日まで行われました消費税の引き上げをめぐる点検会合でも、引き上げるべきだという意見が多く聞かれたわけですけれども、
消費税の引き上げを先送りした場合、財政再建に対する日本の取り組みに疑問符が付けられ、マイホームローンなどにも影響が
及んで国民生活に影響が及ぶことはないのでしょうか。そうした懸念がないのかまず伺います。
それと、先ほど総理自身も厳しい戦いになるとおっしゃっていましたけれども、与党の現有議席を考えたときに、議席は減少するの
ではないかという声が与党内にもあります。勝敗ラインについてどのようにお考えでしょうか。

(安倍総理)
財政再建の旗を降ろすことは決してありません。そして、平成29年4月に確実に消費税を10%へと引き上げてまいります。そして、
2020年度の財政健全化目標も堅持してまいります。そのことによって、国際的な信認の問題は発生しないと確信しています。
経済の再生なくして財政健全化はできません。デフレ脱却なくして財政健全化は夢に終わってしまいます。だからこそ、断固として
デフレ脱却に向けて進んでいくべきなのです。私は、十分に国際的な理解を得られると考えています。
前回の総選挙において、自公合わせてたくさんの議席をいただいたこと本当に感謝いたしております。しかし税制こそ議会制民主
主義といってもいいと思います。その税制において大きな変更を行う以上、国民に信を問うべきであると考えました。
そして、その上で自民党、公明党連立与党によって過半数を維持できなければ、私たちの三本の矢の経済政策、アベノミクスを進
めていくことはできません。過半数を得られなければ、アベノミクスが否定されたということになるわけでありますから、私は退陣い
たします。

西日本新聞の宮崎です。
今回の解散については、野党のみならず、与党や、それから国民からも大義がないという批判があります。
今、総理は税制という重大な決断をした以上、国民に信を問うとおっしゃいましたが、7-9のGDPの速報値が市場予想を大きく下
回るマイナス1.6ということもあり、法律どおり、景気条項にのっとって増税を先送りして、それを国会で諮れば、野党の方もほとんど
先送りには賛成しているわけですから、その方が、選挙で政治空白をつくるよりもいいのではないかと、経済対策に選挙で空白をつ
くるよりも、今は経済対策に専念すべきではないかという声があります。こうした手段をとらずに、あえてこの時期に解散で民意を問
う理由を御説明ください。

(安倍総理)
まず、申し上げておきたいことは、ではなぜ2年前民主党が大敗したのか。それは、マニフェストに書いていない消費税引き上げを国
民の信を問うことなく行ったからであります。
平成24年1月、我が党の総裁であった谷垣総裁の代表質問を覚えておられるでしょうか。税こそ民主主義である。まさに議会制民主
主義は、税とともに歩んできたのです。その税において、公約に書いていないことを行うべきではない。
我々は解散総選挙を要求しました。私たちは、先の総選挙において、3党合意に従って3%、そして2%、5%から10%へ引き上げると
いうことをお約束してまいりました。18カ月間の延期、さらには、29年4月には景気条項を外して確実に上げる、これは重大な変更で
す。そうした変更については、国民の信を問う、当然のことであり、民主主義の私は王道と言ってもいいと思います。
そして、まさに3年後消費税を2%引き上げていくというお約束を新たにいたしました。その状況をつくっていくためには、三本の矢を、
成長戦略をしっかりと推し進めて、景気をしっかりと回復させ、賃金を上昇させていかなければいけません。
こうした政策を進めていくためにも、国民の皆様の理解が必要です。国民の皆様の御協力なくしてこうした成長戦略のような困難な
政策は前に進みません。だからこそ私は税制において、そして、この成長戦略を進めていく上において解散総選挙をする必要がある。
国民の皆様の声を聞き、国民の皆様とともに進んでいきたい。そのことによって確実に3年後に私たちは、消費税引き上げの状況を
つくり出すことができると考えたわけであります。

読売新聞の芳村と申します。
消費増税に伴う低所得者対策についてお聞きします。公明党は、軽減税率を10%引き上げ時に導入するよう主張しています。
それに対して、これまで自民党では、時間的な制約から慎重な声がありました。今回、1年半先送りすることで、2017年4月から軽減
税率を導入するお考えはありますでしょうか。その際、対象品目については、どのようにお考えになりますか。

(安倍総理)
軽減税率導入に向けて、自民党、公明党、両党間でしっかりと検討していきたいと思います。両党には税の専門家がおります。
この間において、両党間でしっかりと検討していくことになります。

フジテレビの西垣です。お疲れさまです。
今、総理が会見の中で18カ月先送りすることにした消費税について、必ず上げるということをおっしゃいましたが、個人消費などに
ついても現状、苦しいという指標もある中、この約束をどのように選挙で問う場合に、国民としては信頼する、政権としては経済政策
も含めてこれを信じるに足るということは、政権として何が今後掲げられるのでしょうか。

(安倍総理)
一昨年の12月に安倍政権が発足をいたしました。発足後、直ちにマイナス成長からプラス成長に転じました。これはまさに私たちが
進めている経済政策の成果であると思います。
そして、今年消費税率を引き上げました。しかし、先ほど申し上げましたように、残念ながら消費税率の引き上げが個人消費を押し下
げていくことになってしまった。ですから、私たちはしっかりと三本の矢の政策を進め、来年、再来年そしてそのまた翌年、賃金が確実
に上がっていく。名目所得が上がり、そして実質賃金も上がっていく状況をつくっていくことによって、そういう経済をつくっていきたい、
また、経済をつくっていくことができると思っています。
有効求人倍率は22年ぶりの高水準ですし、そして、本年4月には15年で最高の賃上げ率になっています。
また、例えば倒産件数においても24年ぶりの低水準になっています。また、高卒、大卒内定率も上がっています。特に高卒の皆さんに
おいては顕著に上がっているのです。間違いなく私たちが進めている政策は成功しています。ただ、消費税率引き上げによって押し下
げられた個人消費、そこにおいてまだ2年連続で上げていくにはデフレ脱却が危うくなると判断したところでありますが、3年間あれば、
そしてこの選挙においてしっかりと信任を得て三本の矢の政策をちゃんと前に進めていけば、必ず約束を果たすことができると確信し
ています。

ウォールストリートジャーナルの関口と申します。
今回の選挙は、消費税先送りやアベノミクスの道筋の是非を有権者に問う選挙とされておりますが、安倍政権は経済成長以外にも
エネルギーや安全保障など重要施策を抱えています。総理は今回の選挙の結果を成長戦略だけでなく、原発再稼働や憲法解釈に
よって行われる集団的自衛権の関連法案への信任と捉えられるのでしょうか。

(安倍総理)
自民党は消費税もそうでありますが、常に選挙において逃げることなくしっかりと国民の皆様にお示しをしています。
ですから当然、エネルギー政策、原発政策あるいは安全保障政策等についても党の公約にきっちりと書き込んで、この選挙戦、堂々と
闘っていきたい。有意義な論戦を行っていきたいと考えております。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2014年11月19日 毎日新聞 東京朝刊より

安倍首相 インタビュー要旨

毎日新聞が18日に行った安倍晋三首相へのインタビューの要旨は次の通り。

<解散の決断>
解散を判断したのは今日だ。国内総生産(GDP)の速報値が厳しい数字だったので、消費税率引き上げの18カ月の延期と同時に、
2017年4月に確実に税率引き上げを行うために法律の「景気条項」の削除を決めた。
「削除」は民主党と自民、公明両党との3党合意で決めた税制の重要な仕組みの変更なので、国民に信を問うべきであると考えた。
消費税引き上げを延期すべきかは慎重に判断しなければならないと考えてきた。そう判断した時には、どうすべきか、ということもず
っと考えて、今日に至った。 今日、まさに延期、そして17年4月には確実に引き上げ、そして解散を行うという判断を同時にした。

<解散・総選挙の大義>
民主党がGDP速報を見ずに引き上げ延期を判断したことに大変驚いた。
税制は国民生活に密接に関わっており、議会制民主主義は税とともに歩んできた。民主党は私たちの政策を批判しているが、(同党
の政策は)デフレから脱却すべきかどうか、成長すべきかどうかも分からない。
解散に反対の声が多いのはありがたい。今の(与党の議席数で政権運営を)そのままやっていいということだ。解散反対の声も謙虚
に受け止め選挙戦で論点を明確にしたい。

<軽減税率>
軽減税率導入の方向に向けて、まずは自民、公明両党で税の専門家同士でしっかりと議論を進めさせたい。

<日中、日韓関係>
北京で日中首脳会談を行うことができた。それまで行ってきた静かな努力が実ったと思う。
日韓は首脳会談を行うことはできなかったが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の夕食会で隣同士で、朴槿恵大統領と大変率直
な意見交換ができた。

<安保法制整備のスケジュール>
(安保法制整備に関する)日程の組み直しは考えていない。衆院を解散しても政府は存続していくわけで、当然、進めていく。

<労働者派遣法改正案>
大切な法案であり(国会)審議が進み、成立することを期待したい。




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