筑紫の国の片隅で…

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岡崎久彦氏が逝去

10月26日、元駐タイ大使で外交評論家の岡崎久彦氏が逝去されました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

安倍晋三fbより


10月28日 産経 岡崎久彦氏死去


平成26年10月28日 産経新聞より

【評伝】外交評論家 岡崎久彦

岡崎久彦元駐タイ大使

知性と気迫備えた侍

エレガントなサムライ-それが岡崎さんだった。社交の場ではほほえみを浮かべながら、歩み寄ってくる相手の話にじっくり
と耳を傾け、穏やかな口調で的確なコメントを返す。「大使の社交とはかくあるべし」と思わせる振る舞いだった。
安倍晋三さんが自民党総裁に返り咲いた直後のことだ。評論家の金美齢さんのお宅でお祝いのパーティーが開かれたとき、
歩み寄ってきた安倍さんを笑顔で迎え、ゆったりと談笑する姿が強く印象に残っている。岡崎さんには、周りの者が教えを請
いたくなるようなオーラが確かにあった。
民主党が政権の座にあったとき、同党若手国会議員の要請でキッシンジャーの『外交』全31章を読み解く勉強会の講師を
務めた。20世紀の米国外交を知る上で欠かせぬ文献の監訳者である岡崎さんが直々に講義するとあって、自民党からも
多数の若手が参加した。月1回のペースで開かれた勉強会は8カ月続き、講義録はただちに『二十一世紀をいかに生き抜
くか』というタイトルでPHP研究所から出版された。同書は外交戦略を考える者にとって必読の書である。
岡崎さんというと知性の人という印象が強いが、日本を危うくするものに対してはいかなる批判も恐れることなく、言論で戦
いを挑む気迫を持っていた。
そのよい例が遊就館の反米展示を批判した平成18年8月24日の産経新聞「正論」欄の文章である。

《戦時経済により、アメリカが不況の影響から最終的に脱却したことは客観的な事実であろうが、それを意図的
にやったなどという史観に対しては、私はまさに(米保守派論客のジョージ・)ウイル氏が使ったと同じような表現
-歴史判断として未熟、一方的な、安っぽく、知性のモラルを欠いた、等々の表現-しか使いようがない》

と、米国が不況脱却のために資源の乏しい日本を経済制裁によって戦争に追い込み、これにより米経済は回復したという
史観を批判した。その上で、

《私は遊就館が、問題の個所を撤去するよう求める…この安っぽい歴史観は靖国の尊厳を傷つけるものである。
私は真剣である。この展示を続けるならば、私は靖国をかばえなくなるとまであえて言う》

と強い覚悟を示した。この文章が保守陣営、特に反米保守といわれる人々に与えた衝撃は計り知れなかった。
(桑原聡)

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2014年10月27日20時36分 朝日新聞デジタルより

岡崎久彦・元駐タイ大使が死去 安倍首相の外交ブレーン

元駐タイ大使で、外交評論家の岡崎久彦(おかざき ひさひこ)さんが26日、死去した。84歳だった。
通夜、葬儀は近親者のみで行う。喪主は妻昭子さん。後日、しのぶ会を開く予定。
1952年に外務省入省。同省情報調査局長や駐サウジアラビア大使、駐タイ大使を歴任し、92年に
辞職後は「親米保守」の論客として知られた。
同省調査企画部長だった83年に、歴史を踏まえた国家戦略論を説いた著書「戦略的思考とは何か」
がベストセラーとなり、テレビの討論番組などにも数多く出演した。
2004年には当時、自民党幹事長だった安倍晋三首相と共著「この国を守る決意」を出版した。
安倍首相の外交政策のブレーンを務め、第1次、第2次安倍政権で、首相の私的諮問機関「安全保障
の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)のメンバーを務め、集団的自衛権の行使容認
に道を開く報告書をまとめた。

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平成26年7月5日 産経ニュースより

「新3要件」譲りすぎではない 元駐タイ大使・岡崎久彦氏

新たな「武力の行使」の新3要件は、譲りすぎたために動かないのではないかという説がある。だが、私はそう思わない。
この3要件でいいと思っている。
日本に自衛権があるというのは、(昭和34年の)「砂川事件」判決が、集団的自衛権か個別的自衛権かを区別せずに
認めている。また、自衛権は必要最小限度でなければならないが、これまで必要最小限度の線を集団的自衛権と個別
的自衛権の間で引いてきた。これは法理論的にむちゃくちゃな話だ。新たな3要件は、正当防衛と過剰防衛に線を引い
ている。必要最小限度を定義する正攻法だ。鉄砲を1発撃つことは、場合によっては国家の命運にかかわる。
どんな場合でも首相の決断を仰ぎ、首相は国家の命運を考えて、最終決断を下さなければいけない。
キューバ危機のケネディ米大統領も、フォークランド紛争のサッチャー英首相もそうだったが、本当に国家の安危なのか
判断しなくてはならない。3要件のこの表現であっても、本当に国家の安危にかかわるなら、何でもできる。
平成2(1990)年にイラクのフセイン大統領(当時)がクウェートを占領した。そのころは日米経済摩擦がひどいときで、
米国内では日本は同盟国ではないという意見が強かった。そんなときに日本が自衛隊を出さずに、中国が出兵したら、
アジアにおける米国のパートナーは日本ではなく、中国となってしまう。日米安全保障条約は吹っ飛び、日本の安全を根
底から覆す。
今回の閣議決定ならば、あのときも自衛隊を出せるだろう。いざという場合に、国の安全が根底から覆るかどうかを考え
て、首相が決定すればいい。防衛出動が下令されれば、軍事力を使えるが、それ以外の場合はほとんど使えない。警察
と同じだ。それを直さなければいけない。その作業が今年の秋にある。
米国の冗談だが、泥棒が逃げようとしているときに、米国の警察官は「止まらなければ拳銃を撃つぞ」と警告する。だが
日本の警察官はそう言わない。「止まらなければ、もう一度、『止まれ』と言うぞ」と言うだけだ。その場合に泥棒に向かっ
て拳銃を撃てるように法律を変えるのが今度の目的だ。

【プロフィル】
岡崎久彦(おかざき ひさひこ)昭和5年、大連出身。東大在学中に外交官試験に合格、27年に外務省入省。
情報調査局長、駐サウジアラビア大使、駐タイ大使などを務める。政府の「安全保障の法的基盤の再構築に
関する懇談会」のメンバー。現在、NPO法人岡崎研究所所長。84歳。
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平成26年7月2日 産経ニュース 【正論】

苦節35年、集団的自衛権の時がきた 元駐タイ日本大使・岡崎久彦

ついに集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。35年間、待ちに待った決定である。
私が防衛庁に勤務していた1980年ごろ、ソ連艦隊はベトナムのカムラン湾に基地を構えて、南シナ海の航行を脅かし
た。イラン・イラク戦争が勃発して、ペルシャ湾の航行も脅かされていた。この日本にとって死活的な重要性のある、東京
湾からペルシャ湾までのオイルルートの防衛は米国第7艦隊の任務だった。

《石油ルート哨戒に加われず》
それは楽な勤務ではなかった。甲板上は昼は40~50度となり、当時の船の冷房では、夜もろくに気温は下がらず、ゆっ
くり眠って体を休めることもできなかった。当時来訪した横須賀基地の米軍司令官は私に訴えた。
「そういう辛い任務をしていると、来る船来る船日本のタンカーだ。私には日本の政治事情は分かるが、水兵たちには分
からない。どうして日本の海上自衛隊はパトロールに参加しないのだと不平が収まらない。そういう状況だということだ
けは分かってほしい」と。しかし、海上自衛隊はパトロールに参加できなかった。自分の艦は守れても、一緒に行動してい
る米艦は守れない。また、日本の船は守れても、米国やアジア諸国の船は守れない。さらに、日本の船なるものがない。
ほとんどがリベリア船籍かパナマ船籍である。それを守れるかと法制局に聞けば、集団的自衛権行使の疑いがあると言
われてしまう。当時の解釈ではそれでおしまいだった。
奇妙なことに、今回の集団的自衛権論議の最中に、ここにあるような事例は事実上ほとんど解決されてしまった。
反対論は、何も集団的自衛権と言わなくても、個別的自衛権で解決できるではないかという議論が中心となった。
確かに日本にとって死活的な石油ラインを守るための米艦の防護であり、外国籍でも日章旗を掲げた船を守るためで
あるならば、個別的自衛権でもよいという拡大解釈はあり得る。従来の政府解釈を現実に即して変更するというのなら、
現在政府がとっている立場とほとんど同じであり、国民的総意は既にできているといってよい。

《海自の信頼回復と同盟強化》
いずれにしても、政府解釈の変更はもう決まったのだから日本はパトロールに参加できる。
ただ、具体的な武力行使となると場合によっては法律の整備が必要となる。関連法案提出は政府の公約であり、この秋
に整備されよう。ただ、その前でもパトロールには参加できるし、参加すべきである。
慎重を期せば、法的に問題のある武力行使は、法整備までは米側に任せておけばよい。参加するだけで抑止力になるし
、世界最高を誇る日本の哨戒能力だけでも参加の価値がある。何よりも、米軍とともに汗を流すことが同盟の絆を固め
る。これで、35年間失われていた海上自衛隊への信頼が回復し、日米同盟は強固になり、日本国民の安全がそれだけ
高まるのである。
私個人の感触では、それにとどまらない。もしあの時、海上自衛隊が常時パトロールに参加していたら、日本人の規律、
能力が抜群であることは誰の目にも明らかに映り、また、沿岸のアジア諸国にとって脅威となるような海軍でないことも
明らかになっていたであろう。東南アジアは、日本が戦後半世紀以上営々として経済、技術協力の面で貢献してきた金
城湯池であるにもかかわらず、日本は政治、軍事面では無能力者だとこの地域で思われてきたが、そのイメージを払拭
できる。

《「長い空白」急いで埋めよ》
そうなれば、日本、ドイツなどが国連安保理常任理事国入りを目指した2005年の安保理改革決議案(廃案)の共同提案
国として、ドイツの隣国のフランス、ベルギーが参加したのに対し、日本の近隣の中国、韓国はもとより東南アジア諸国連
合(ASEAN)10カ国までもが中国におびえて一国も名を連ねなかったという、国辱的な状態も避け得たと思う。
今月には安倍晋三首相のオーストラリア訪問があり、やがてモディ・インド首相の訪日がある。そして、年内には日米防衛
協力の指針(ガイドライン)の改定もある。集団的自衛権の政府解釈の確定によって、横須賀からインド洋に至る海上交通
路(シーレーン)の防衛について、豪、印、米と建設的に話し合えるのである。
米国はシェールガス・オイルの開発により、自身のエネルギー源確保のための湾岸地域の重要性が低下すると予想され
る。米国防費の伸び悩みもあり、同盟国の負担を求める声は高くなっても低くなることはないであろう。
全ての場合において、日本にとって死活的重要性のある石油ラインの防衛について、新たな国際協調に向かって進む
チャンスである。日米豪印の接触に際してシーレーンの防衛について、今すぐにでも、具体的協議に入るよう防衛当局者
に指示すべきである。 35年間の国益のタイムロスを埋めるのである。一刻も失う時間的余裕はない。




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