筑紫の国の片隅で…

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李登輝元総統、5年ぶりに来日 「日本やっぱりいい国」

2009年9月以来、5年ぶりに台湾の李登輝元総統(91)が19~25日の日程で来日されています。
李登輝元台湾総統は20日に大阪市内で講演し、安倍政権による集団的自衛権の行使容認について、「尖閣諸島や
南シナ海問題で、中国は軽率な行動に出られなくなり、地域の安定に寄与する」と述べ歓迎する意向を示したうえで、
「今や世界は戦国時代。国際社会で自分の身を守るために武力を持つことが必要だ」と、憲法改正の必要性も指摘し
たそうです。李登輝元台湾総統は以前より「憲法9条の改正」と日本版「台湾関係法」制定に期待を寄せておられます。
7月3日付の『中央社フォーカス台湾』によれば、李登輝元総統は、日本の集団的自衛権行使容認は日米同盟強化と
なり、アジア地域にも好影響をおよぼすという期待感を示し、「これで米国を安心させることができるだろう」と述べたと
伝えています。また日本は今後、フィリピン、オーストラリア、インドとの軍事関係が深まり、台湾にも良い影響がもたら
されるとしたうえで、中国大陸は釣魚台列島(尖閣諸島)や南シナ海問題で軽率な行動に出られなくなるとして、「地域
の安定に寄与する」と評価した、とも伝えていました。

   李登輝元総統

李登輝元台湾総統が2月24日、WEDGEのインタビューに答えた記事がありますので、最後に転載しておきます。

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2014年09月19日20:24 【共同通信】より
李登輝氏、5年ぶり来日 日台関係「より強固に」
台湾の李登輝元総統は19日、5年ぶりに来日し大阪市で記者会見、「日台の心の結びつきがより強固となる契機に
なるよう願っている」と述べ、25日までの滞在を日台の一段の関係強化につなげたいとの意向を示した。
自民党有志議員らが目指している「日本版・台湾関係法(仮称)」の策定について、「相当困難」と予測しつつ「法的な
ものを持てば日台関係はもっと良くなる」と述べ、支持を表明。米国版のような軍事面での関係強化を想定しているの
かなど、具体的内容には触れなかった。
李氏の来日は2009年9月以来で、00年の総統退任後6回目。日本の交流団体「日本李登輝友の会」が招いた。

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2014年9月19日19時53分 産経ニュースより
李登輝氏が6回目の来日「日本やっぱりいい国」
台湾の李登輝元総統(91)は19日、関西国際空港に到着後、大阪市内で記者会見し、「台湾のためにしなければな
らない仕事を日本から学んで帰りたい」と抱負を語った。
李氏の来日は「日本李登輝友の会」の招きに応じたもので、2009年9月以来、5年ぶり6回目。
今回は初めての家族連れとなった。李氏は会見で「日本は5年前に来たときよりも進歩している。やっぱりいい国だ」と
到着の印象を語った。その上で来日の目的として、がん治療、再生エネルギー、肉牛飼育の視察を挙げ、日本の技術や
経験を「台湾の役に立てたい」と述べた。一方、日本への機内で同行記者団の代表取材に応じ、靖国神社を参拝する
予定はないと話した。07年の来日では、実兄がまつられる同神社に参拝した。
李氏の来日は25日まで。大阪、東京で講演するほか、北海道も初めて訪れる。 (田中靖人)

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2014年09月20日 毎日新聞東京朝刊より
李登輝・台湾元総統:来日 日台関係強化に法制定呼びかけ
台湾の李登輝元総統(91)が19日、5年ぶりに来日した。関西国際空港に到着後、大阪市内のホテルで記者会見した
李氏は、日台間の経済や人的往来など関係強化の法的根拠となる「台湾関係法」の制定を日本側に呼びかけた。
2000年の総統退任後、来日は6回目。25日までの日程で大阪、東京で講演するほか、初めて北海道も訪れる。
米国は1979年に台湾(中華民国)と断交後も同盟関係を維持するため、米国の国内法「台湾関係法」を制定した。
日本は72年に断交したが、同様の法律はない。 【鈴木玲子】

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2014年9月20日 産経新聞より
「日本は憲法改正して真の自立国家に」
来日中の台湾の李登輝元総統(91)は20日、大阪市内で講演し、アジアの平和と安定のため「日本は憲法を改正して
真の自立した国家となるべきだ」と述べた。
李氏は、米国の国力低下により「中国は、米国にアジアを安定させる力の余裕がないことを見抜いている」と警告。
日本が安定に貢献すべきだとした上で、「国家の根幹たる憲法を放置していては、日本は世界の動きから取り残され
る」と憲法改正の必要性を訴えた。また日本の集団的自衛権の行使容認について、「大歓迎だ」とした上で、「戦後長
らく続いた日本の不正常な状態を正し、再生していくための第一歩だ」と評価した。
李氏は、戦中に京都帝国大学に在学中、志願して大阪の旧陸軍第4師団に入隊したという関西との縁についても語っ
た。会場には約1,600人の聴衆が訪れた。
一方、李氏は同日午前、宿泊先のホテルで、中性子を利用するがん治療について専門家から説明を受けた。
李氏は「日本独特で設備の費用も安い。世界最高の治療法ではないか」と述べ、台湾からの研修医の派遣と、その後
の台湾への機材導入に期待を示した。 (田中靖人)

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2014年(平成26年)9月21日NHKニュースより
台湾元総統 日本の集団的自衛権を歓迎
5年ぶりに日本を訪問している台湾の李登輝元総統は20日に大阪で講演し、日本政府が閣議決定した集団的自衛権
の行使容認について、「中国は軽率な行動に出られなくなり、地域の安定に寄与する」と述べて歓迎しました。
19日から5年ぶりに来日している台湾の李登輝元総統は、20日に大阪で講演を行い、およそ1,600人の聴衆を前に、
アメリカは経済力の低下から単独で世界の主導的な役割を果たす力を失っていると主張しました。
一方で、存在感を増している中国については「役人の腐敗や信じられないほどの環境汚染など、とても国際社会での責
任ある役割を任せられない」と批判するとともに、軍事力の強化や、南シナ海などの領有権を巡る強硬な姿勢に強い危
機感を示しました。そして、日米同盟を強固なものにする必要性を訴え、日本政府が閣議決定した集団的自衛権の行使
容認について、「中国は軽率な行動に出られなくなり、地域の安定に寄与する」と述べ、中国軍の動きをけん制する効果
が期待できるとして歓迎しました。さらに李元総統は、台湾を含む東アジアの平和のためにも「日本は憲法を改正して、
真の自立した国家となるべきだ」と述べました。

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2014年02月24日 WEDGE REPORT (WEDGE編集部)

李登輝・元台湾総統インタビュー (聞き手/編集部 大江紀洋)

日本への期待 安倍総理への期待

日本統治時代の台湾で育ち、京都帝大で学び、学徒出陣で戦地にも赴いた。武士道を愛し、日本人よりも日本人らしい
精神性を体現する李登輝元総統には、いまの日本がどのように映るのか。靖国から憲法まで縦横無尽に語り尽くす。

ーー昨年末に安倍晋三総理が靖国神社を参拝しました。

国のために命を捧げた英霊に、国の指導者がお参りをするのは当然のことで、外国から口出しされるいわれはない。
私の兄も、海軍志願兵として出征しフィリピンで散華したため靖国神社に祀られている。これは政治の問題ではなく、魂
の問題だ。私も総統在任中、台北にある忠烈祠に春秋の2回、参拝に行った。ただ、ここに祀られているのは抗日戦争で
亡くなった大陸の国民党の兵士であって、台湾とは全く関係がない。しかし、私は大きな愛でもって彼らの霊を慰めるた
めにお参りに行った。

ーーアベノミクスは、一貫して高く評価していますね。

為替の切り下げが重要だということを私は十数年前から言ってきたが、やり切る政治家がいなかった。
経済成長の道は、国内消費、投資、輸出、そしてイノベーションの4つ。日本は台湾と同じく資源を持たない。しかし、新し
い製品をつくる技術と開発力がある。このような国にとっての柱は、輸出であり為替が重要だ。為替切り下げは、近隣窮
乏策だという人がいるがそうならない。輸出が増えると輸入も増える。しかし、これまでの日本の総理は中国や韓国ある
いは米国からの批判の心配ばかりしてきた。日本国民の指導者だ、という考え方がなかった。国際社会における経済的
自立、精神的自立こそがデフレ脱却の鍵だ。

ーー世界経済の今後について、どう見ていますか。

私はこれからの国家経済運営において、中国の国家資本主義的「北京コンセンサス」も、米国の新自由主義的「ワシン
トンコンセンサス」もうまくいかないと見ている。
北京コンセンサスは、外国の資本と技術を頼りに、国内のあり余った労働者を活用する手法だ。成長率は高くても中産
階級は生まれず、格差に国民の不満が渦巻いている。
「小さな政府」を志向し、国境を越えた資本の自由な移動を推進するワシントンコンセンサスも問題が多い。グローバル
資本主義はこれまで、世界経済をダイナミックに拡大させてきたが、金融市場の不安定性、所得格差拡大と社会の二極
化、地球環境汚染の加速や食品汚染の連鎖といった本質的欠陥を解決できていない。
私は12年間の台湾総統時代、まず農業の発展に力を注いだ。そして農業が生み出した余剰資本と余剰労働力を活用
して工業を育成した。国家が基礎になって、国内の資源配分を行うこの経済運営は、日本がモデルになっている。
経済発展は、元手となる初期資本をどこから生み出すかにかかっている。西欧は植民地から奪うことができたが、アジア
の国々は地租を基礎にするしかない。日本の戦後の傾斜生産方式は、その代表例だった。
今後も、グローバル資本主義にただ任せておけば、国内の経済が良くなるという可能性は余りない。個別国家の役割は
依然として重要で、とりわけ指導者の責任は重い。その意味で、安倍総理が打ち出している、「3本の矢」を高く評価して
いる。

ーー中国や韓国は安倍政権の外交政策を批判しています。

安倍総理が就任早々、大胆な金融政策を打つと同時に、東南アジアを歴訪したのは素晴らしいことだ。
中国や韓国の理不尽な要求に屈せず、アジアで主体性を持った外交を展開しようとしている。日本は世界のためにアジ
アの指導者たれ、です。これからの世界の安全保障環境をもっともよく分析しているのは、イアン・ブレマーの「Gゼロ」だ
ろう。中国には国際秩序を維持しようという意思はない。周辺国の内政や領土への干渉を繰り返し、力を誇示している。
米国がこのままリーダーシップを失えば、世界はリーダー不在の時代になる。アジアや中東では、地政学的リスクが拡大
するだろう。国際政治の主体は国家である。複雑な国際環境に面して国民を安全と幸福に導き、平和を享受できるかど
うかは、ひとえに指導者の資質と能力にかかっている。
指導者のリーダーシップという問題に、この20年間、日本は苦労し続けてきたが、安倍総理は経済政策にしても外交に
しても、大変よくリーダーシップを発揮していると思う。

ーー憲法改正をどう考えますか。

私はこれまでも、憲法9条は改正すべきだとはっきり言ってきた。国際政治では、それぞれの国家に対して強制力を行使
できる法執行の主体は存在しない。国防を委ねることができる主体が存在しない限り、政策の手段としての武力の必要
性を排除することは考えられない。戦争が国際政治における現実にほかならないからこそ、その現実を冷静に見つめな
がら、戦争に訴えることなく秩序を保ち、国益を増進する方法を考えるのが現実的見解だ。
日本は、憲法改正という基本的な問題を解決しなければ、どのような問題に対しても国の態度をはっきりさせることがで
きない。

ーー指導者がリーダーシップを発揮するために何が必要でしょうか。

信仰です。本物の指導者は常に孤独だ。国家のために尽くしていても、反対勢力やメディアから批判される。孤独に耐え
るには強い信仰が必要だ。それが、あらゆる困難を乗り越える原動力になる。
最近の日本には、国民や国家の目標をどこに置くかについて、きちんと考えを持った指導者がいなかった。
安倍総理は、違う。彼には彼なりの信仰があるように私には思える。私の場合は、キリスト教という信仰があった。
私はもともと農業経済の学者でした。40代で奨学金を得て、米コーネル大学に留学し、そこで書いた博士論文が評判
になった。当時、台湾では土地改革をめぐって農業問題が深刻になっており、行政院副院長(日本の副首相にあたる)
を務めていた、蒋介石の息子、蒋経国に呼ばれ、自分の考えを説明する機会があった。そして、蒋経国が行政院長(首
相相当)に就いたとき、政務委員(国務大臣相当)として入閣することになった。48歳の時です。
6年間政務委員を務めその後6年間、台北市長や台湾省主席を経験したのち、蒋経国総統から副総統に指名された。
そしてその4年後、蒋経国が亡くなり、憲法の定めで総統に就任した。なぜ私のような人間が、蒋経国に抜擢され総統
になったのか。それは神のみぞ知る、です。

ーー「万年議員」を引退させたり、総統選挙を直接選挙にしたりと、大改革を次々実行しましたね。

私はもともと学者だから、権力もお金も派閥もなかった。そういう人間が改革をやろうとしたものだから、困難ばかりで夜
も寝られなかった。国内では既得権者と闘い、対外的には大陸中国との問題があった。そうした困難な事態に直面した
とき、私は必ず聖書を手にした。まず神に祈り、それから聖書を適当に開いて、指差したところを読み、自分なりに解釈し
て、神の教えを引き出そうとした。自分を超えた高みに神が存在していて助けてくれる。そのような信仰が、一国の運命
を左右する孤独な戦いに臨む指導者を支えてくれる大きな力となる。

ーー日台関係をどう見ていますか。

台湾に対して、日本は長い間冷淡だった。しかし、司馬遼太郎さんが「街道をゆく」で台湾紀行を書いたり、中嶋嶺雄さ
んが「アジア・オープン・フォーラム」を開いたりしたおかげで、少しずつ関係は改善した。
そして、安倍総理がフェイスブックで、「友人」と発言し、懸案の漁業協定締結にもこぎつけてくれた。これらは、ここ40年
間、日台間に存在した表面的な関係を具体的な形として促進したものと言える。
残る課題は、日本版「台湾関係法」の制定だ。日本は日中国交正常化に伴う中華民国との断交以来、日台交流の法的
根拠を欠いたままだ。国内法として台湾関係法を定め、外交関係を堅持している米国を参考にしてほしい。これは、今後
「日米台」という連合によって、新しい極東の秩序をつくる上で、良い礎となる。




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