筑紫の国の片隅で…

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安倍総理、「ダボス会議」で基調講演

安倍総理が1月22日~25日にかけてスイスで開催される「ダボス会議」に出席し、日本の総理大臣
として初めて22日のオープニング・セッションで基調講演を行いました。

コングレス・センター

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<平成26年1月23日 外務省HPより>

安倍総理大臣のダボス会議出席(概要)

安倍総理は、1月21日から23日まで世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称「ダボス会議」)に出席
するためスイスを訪問した。
22日、日本の総理大臣として初めてオープニング・セッションで基調講演を行った。
またシュワブWEF会長主催昼食会、WEFメンバーであるビジネス関係者との会合、メディア関係者との
会合を行った。また、アボット豪首相、ブルクハルター・スイス大統領、ジョージ・ソロス氏等と短時間
面会したほか、国際社会で活躍する複数の女性リーダーとの夕食会を行った。
またCNNとの単独インタビューを受けた。

1.安倍総理による基調講演
今年のダボス会議の主要テーマは「世界の再編成(The Reshaping of the World)」。
安倍総理はオープニング・セッションにおいて、約2,000名の聴衆を前に
「新しい日本から、新しいビジョン(A New Vision from a New Japan)」と題する基調講演を
行いモデレーターを務めたシュワブWEF会長との質疑応答を行った。

(1)スピーチのポイントは以下のとおり。

(ア)日本経済は長く続いたデフレから抜け出ようとしている。
(イ)電力市場の完全自由化、医療の産業化、40年以上続いたコメの減反の廃止など、久しく
  「不可能だ」と言われてきた大改革を決定。自分自身が既得権益の岩盤を打ち破るドリル
  の刃となる。春には国家戦略特区も始動。
(ウ)TPPは経済政策の柱であり、日EU・EPAも進める。1兆2,000億ドルの運用資産を持つGPIF
  の改革を行い、法人税率を4月から2.4%引き下げ、設備投資、研究開発、賃金引き上げへの
  異次元の税制措置を断行し、さらなる法人税改革に着手する。雇用市場を改革する。
(エ)いまだに活用されていない資源の最たるものは女性。
  日本は女性に輝く機会を与えなくてはならない。家事や介護などの分野に外国人のサポート
  が必要。会社法改正を国会に提案し、スチュワードシップ・コードを策定。
(オ)それらを実現させれば、2020年までに対内直接投資の倍増が可能。
(カ)東北地方の人たちが示した助け合いの精神をもって、日本は世界の平和に積極的貢献を行
  う国になる。世界が抱える課題の解決は、連携と協力によってしか実現できない。
  新しい日本の「積極的平和主義」を頼りにしてほしい。
(キ)アジアは世界の成長センター。その成長の果実は、軍備拡張に浪費されるのではなく、さらな
  る経済成長を可能にするイノベーションや人材育成にこそ投資されるべき。
  アジアにおいて際限なく軍備が拡散されることを抑制しなければならない。軍事予算を透明に
  し、検証可能な形で公表すべき。
  危機管理のためのメカニズム、軍同士のコミュニケーション・チャネルを整備すべき。
  海洋に関し、国際法に基づいた行動を促すルールを整備すべき。

(2)基調講演に続き、シュワブ会長との間で

①靖国神社への参拝 ②成長戦略の進め方 ③2020年東京オリンピック・パラリンピックやスポーツ・
ダボス構想への取組について質疑応答。

2.WEF関係者、有識者等との意見交換

(1)シュワブ会長主催昼食会
アル・ゴア元米国副大統領、ジョージ・ソロス氏、ジョセフ・ナイ・ハーバード大学ケネディースクール
学長、ジェフリー・サックス・コロンビア大学教授等、世界の政財界のリーダー約20名が出席。

(2)インターナショナル・メディア・カウンシル(IMC)との会合
WEFメンバーである世界の有力メディアの編集委員、解説委員、ニュースアンカー等により構成される
IMCとの質疑応答。ギデオン・ラックマン・フィナンシャルタイムズ首席外交論説員がモデレーターを
務め、世界トップクラスの発信力を有するメディア関係者約40名が出席。

(3)インターナショナル・ビジネス・カウンシル(IBC)との会合
世界の有力企業経営者がメンバーとなっているWEFの諮問機関であるIBCとの質疑応答。
ムーター・ケント・コカコーラ社CEO(IBC議長)がモデレーターを務め、約50名が出席。

(4)女性リーダーとの夕食会
女性の輝く社会の実現に向けて、ヘレン・クラークUNDP総裁、ローラ・タイソン・カリフォルニア大学
バークレー校教授(元米国CEA長官)など5名の女性リーダーとの間で意見交換を行った。
企業や社会の意識改革、子育て支援や女性の職場復帰の制度整備の重要性等について意見交換が行わ
れた。

(5)アボット豪州首相、ブルクハルター・スイス大統領、ソロス氏との意見交換
安倍総理はアボット豪首相と短時間面会し、日豪の戦略的パートナーシップの一層の強化等について
意見交換を行った。
またブルクハルター・スイス大統領、ジョージ・ソロス氏ともそれぞれ短時間面会した。

(6)CNNインタビュー
CNNのファリード・ザカリア氏の単独インタビューを受け、日本の経済政策や日中関係等について質問に
答えた。このインタビューはCNNのニュース番組「Fareed Zakaria GPS」で放映。

(7)その他
朴槿恵韓国大統領、サーリーフ・リベリア大統領の講演を会場で傍聴した。
その後ユン・ビョンセ外交部長官ほか、韓国代表団の主要メンバーよりの挨拶を受けた。
また総理の基調講演を聴きに来た、ロウハニ・イラン大統領と会場で挨拶を交わした。
シェリル・サンドバーグ・フェイスブック社長、ボノ(U2)とも立ち話を行った。

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< 首相官邸HPより >

平成26年1月22日スイス・ダボス、コングレス・ホール

世界経済フォーラム年次会議冒頭演説
~新しい日本から、新しいビジョン~


          政府インターネットテレビ

     2014-01-23_ダボス02


シュワブさん、ご紹介ありがとうございます。大統領閣下、続いてお話できるのは何よりの光栄です。
さて「アベノミクス」と、私の経済政策は呼ばれています。誰が名づけたのかは知りません。
自分の名前を呼び続けるのはちょっと抵抗がありますが、ここは、この言葉を使わせてください。
大胆な金融政策という第一の矢、機動的な財政政策という第二の矢、そして民間投資を喚起し続ける
終わりのない第三の矢。
日本経済は、長く続いたデフレから脱け出ようとしています。今年は春に賃上げがあるでしょう。
久方ぶりの賃金上昇で消費が伸びます。日本の財政状況も着実に改善し、財政健全化の軌道に乗り
つつあります。
日本とは黄昏の国である。そんな論調がありました。成熟の極みにある国に、成長の可能性などない。
さも当然のように、そうした主張がなされていました。私が今回、総理となる前の情景です。
今は、さっぱり聞かれません。成長率はマイナスからプラスへと大きく変化しました。
オリンピック・パラリンピックが、あと6年で東京に来ることも人々の心を明るくしました。日本に来た
のは黄昏ではなかった。新しい夜明けでした。
昨年終盤、大改革をいくつか決定しました。できるはずがない…。そういう固定観念を打ち破りました。
電力市場を完全に自由化します。2020年、東京でオリンピック選手たちが競い合う頃には、日本の電力
市場は発送電を分離し、発電、小売りとも完全に競争的な市場になっています。
日本では久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
医療を産業として育てます。日本が最先端を行く再生医療では、細胞を民間の工場で生み出すことが可能
になります。日本では久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
40年以上続いてきたコメの減反を廃止します。民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を需給の
人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきます。日本では久しく「不可能だ!」と言われてきたこ
とです。これらはみな昨年の秋、現に決定したことです。
加えて昨日の朝私は、日本にもMayo Clinicのようなホールディング・カンパニー型の大規模医療法人が
できてしかるべきだから、制度を改めるようにと、追加の指示をしました。
既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になるのだと、私は言ってきました。
春先には、国家戦略特区が動き出します。
向こう2年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の「ドリル」から無傷ではいられません。
世界のトップクラス入りを望む都市では、容積率規制がなくなります。文字通り青空だけが限界です。
質の高い住宅とビジネスのコンプレックス、ゼロエミッション・タウンが次々と登場するでしょう。
TPPは、私の経済政策を支える主柱です。欧州とのEPAも進めます。日本はこれからグローバルな知の流
れ、貿易のフロー、投資の流れに、もっとはるかに深く組み込まれた経済になります。
外国の企業・人が最も仕事をしやすい国に、日本は変わっていきます。
日本の資産運用も大きく変わるでしょう。1兆2,000億ドルの運用資産をもつGPIFについては、そのポート
フォリオの見直しを始め、フォーワード・ルッキングな改革を行います。成長への投資に貢献することと
なるでしょう。
法人にかかる税金の体系も、国際相場に照らして競争的なものにしなければなりません。法人税率を今年
の4月から2.4%引き下げます。企業がためたキャッシュを設備投資、研究開発、賃金引上げへ振り向かせる
ため異次元の税制措置を断行します。本年、さらなる法人税改革に着手いたします。
古い産業に労働者を縛り付けている、雇用市場を改革します。新たな産業にはイノベイティブで、クリエ
イティブな人材が必要です。古い産業に「社内失業」を温存させていた補助金を、良い人材を求める新た
な産業への労働移動の支援へと転換します。少子高齢化が進む日本のどこに、イノベイティブで、クリエ
イティブな人材がいるのか。そう仰る向きがあるかもしれません。
アリアナ・ハッフィントンさんは「リーマン・ブラザーズが、もしリーマン・ブラザーズ&シスターズだった
なら、生き残れただろう」と仰いました。日本の企業文化は未だに、ピンストライプ、ボタンダウンです。
未だに活用されていない資源の最たるもの。それが女性の力ですから、日本は女性に輝く機会を与える場
でなくてはなりません。2020年までに、指導的地位にいる人の3割を女性にします。
多くの女性が市場の主人公となるためには多様な労働環境と、家事の補助、あるいはお年寄りの介護など
の分野に外国人のサポートが必要です。女性の労働参加率が男性並みになったら、日本のGDPは16%伸び
るという話です。ヒラリー・クリントンさんのお話です。
私は大いに勇気づけられました。企業のボードメンバーたちに対する、大いなる刺激も必要でしょう。
24日からの国会に、会社法改正を提案します。これで社外取締役が増えます。
来月中には機関投資家に、コーポレート・ガバナンスへのより深い参画を容易にするため、スチュワード
シップ・コードを策定します。それらを実現させれば2020年までに、対内直接投資を倍増させることが
可能になります。そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変
するでしょう。
地震と津波、原発事故の三重苦が、日本の東北地方を襲った2011年の3月11日。
あの日から、じき3年が経ちます。あの時、世界が寄せてくれた愛情に、日本人は心から慰められました。
東北の復興は、到底終わっていません。私には被災者の将来に対し、格別の責任があります。
けれどもあの辛いさなか、未だかつてない悲劇に見舞われた人たちは、互いに助け合い涙をこらえて、苦境
を乗り越えようとした。そこには、万人をうつ気高い精神がありました。
まさしくこの精神、相互に助け合う精神をもって日本は今、世界の平和に対しこれまで以上に積極的貢献
をなす国になろうとしています。
カンボジアに日本がつくった母子保健センターは、同国の乳幼児死亡率を大きく下げました。
フィリピンを恐ろしい台風が襲った時、わが自衛隊の活動は感動的な支持を得ました。
ジブチに拠点を構える自衛隊は、海賊から世界の船を守り続けています。
どの一国といえども、一国だけで平和を守ることができないように、世界が抱える課題の解決は互いに
思いやり、労わりあう、国と国、人と人の連携、協力によってしか目指すことなどできません。
新しい日本が「積極的平和主義」のバナーをいま、掲げようとしている。是非、頼っていただきたいと
思います。
アジアは世界の成長センターです。中国、韓国、ASEAN、インドやロシア、太平洋の対岸にはTPPのパート
ナー諸国。限りない可能性を秘めた隣人たちに、日本は囲まれています。
世界経済発展のエンジンとなるべきこの地域にあって、どうしたら平和と繁栄を恒久的なものにできる
か。私は、常に思案しています。繁栄の基礎となるのは、人や物の自由な往来です。
海の道、空の道、最近では宇宙やサイバースペース。かけがえのない国際公共財を、安全で平和なものとし
て守り抜く唯一の手段とは、法による秩序を揺るぎないものとすることです。そのために自由、人権、民主
主義といった基本的価値をより確かなものとすることです。この道以外、ありません。
アジアにおいて平和と安定が損なわれれば、世界全体に大きな影響を与えます。アジアの成長の果実は、
軍備拡張に浪費されるのではなく、さらなる経済成長を可能にする、イノベーションや人材育成にこそ投
資されるべきです。
アジアの平和と繁栄にとって、さらには世界の平和と繁栄にとって必要なのは緊張でなく、信頼、武力や
威嚇でなく、対話と法の支配です。アジア地域を武力と威嚇でなく、信頼と秩序の地域としていくために
最後に私はアジアとそして世界へ向けて訴えたいと思います。
我々はアジア地域において、際限なく軍備が拡張されることを抑制しなければなりません。
軍事予算を徹底的に透明にし、検証可能なかたちで公表すべきです。危機管理のためのメカニズム、軍同
士のコミュニケーションチャネルを整備すべきですし、海洋に関する国際法に基づいた行動を促すルール
を整えていかないといけません。その先にこそ、誰もが能力を開花させることができる、アジアの成長と
繁栄が実現できると、私は確信します。
日本は、不戦の誓いを立てた国です。世界の恒久平和を願い続ける国です。
「アベノミクス」によって活力ある日本を作り出し、地域と、世界に、平和と繁栄をもたらしたい。
そう願ってやみません。  ご清聴、ありがとうございました。
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