筑紫の国の片隅で…

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安倍総理、内外記者会見(平成25年7月27日)

2013年7月27日 時事通信【マニラ時事】より
安倍首相会見
財政計画、消費増税前提とせず=改憲、アジア諸国に説明
安倍晋三首相は27日午後(日本時間同)、マニラで内外記者会見を行い、財政再建の道筋を示す
「中期財政計画」について「消費税率引き上げを決め打ちするものではない」と述べた。
来年4月からの8%への税率引き上げを前提としない考えを示したもので、増税の時期や幅などに
関して選択の余地を残す狙いがある。
財務省は当初、消費増税を前提に8月中に中期財政計画を策定し、首相が9月上旬の20カ国・地域
(G20)首脳会議で説明する段取りを描いていた。
これに関し、首相は会見で「来年度の概算要求基準と合わせ8月に(中期財政計画を)策定する」と
述べ、スケジュールは維持する意向を示した。
併せて、消費税率を引き上げるかどうかについて「経済成長あるいはデフレ脱却、同時に財政再建を
しっかりと勘案し、経済の指標を見ながら私が適切に判断していく」と強調した。
政府内で1%ずつ税率を引き上げる案などが取り沙汰されていることに関しては「複数の案を出す
ように(関係部局に)指示をしたことはまだない」と述べた。
また首相は、政権が志向する憲法改正や安全保障政策見直しに関し「地域諸国に誤解がないように
丁寧に説明をしていきたい」と述べ、第2次世界大戦中に日本が占領したアジア諸国の懸念を取り除
くことに努力する方針を表明した。

 

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平成25年7月27日 内外記者会見
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg8242.html

 

地球儀を俯瞰する外交を、マレーシア、シンガポール、フィリピンの訪問から再開した。
日本の国益はもとより、地域・世界の平和と繁栄に貢献する戦略的外交を進めていく。
ASEANは、アジア太平洋地域の安定と繁栄のための重要なパートナーであり、経済成長と安全保障の
両面から重視していく。
今回の訪問では、3ヵ国の首脳からは、日本経済がアジアの活力を取り込んで再生し、日本がこの地域
でより積極的な役割を果たしていくことへの強い期待が示された。
自由、民主主義、法の支配、人権といった普遍的価値を共有する諸国と、幅広い分野で連携を強化して
いくこと、日・ASEAN友好協力40周年を機に交流を一層促進していくことで一致した。
シンガポールを訪問中の米国のバイデン副大統領と会談した。
先方より、アジア太平洋重視政策を実施しているところであり、日本が果たす戦略的な役割を重視して
いるとの表明があった。
世界の成長センターたるアジア太平洋地域の繁栄のためには、これまで以上に安全保障面の安定が
重要となっており、日米同盟は益々大きな役割を有し、さらに強化されるべきであることで一致した。
この文脈でTPPはアジア太平洋全体に資する意義を持っており、日米両国が交渉の成功に大きな役割
を果たすべし、との考え方で一致した。
シンガポールでは、伝統と格式のある「シンガポールレクチャー」の第33代スピーカーとして招かれた。
約千人の聴衆に対し講演を行い、変革に必要な意思と力が日本の政治に戻ってきたこと、三本の矢、
特に三本目の矢である成長戦略は、ASEANと日本の経済に一層のWin-Win関係をもたらすことを強調
した。アジアの未来は明るい。自由を尊び民主主義を着実に育て、法の支配を重んじるところ、アジアには
穏やかで豊かな安定と平和が来る。
スピーチには、一月に発表した「ASEAN外交に関する五原則」の考え方を全体として盛り込んだ。
このような私の思いは聴衆や3ヵ国の人々にしっかり伝わったと信じている。
今回の訪問を通じ、マレーシア、シンガポールフィリピン、そしてASEANとの関係に、友好協力40周年に
ふさわしい大きな弾みを与えることができたと確信している。
改めて、温かく歓迎して頂いた各国の皆さんに、御礼申し上げたい。

    

【質疑応答】

 

(NHK 松谷記者)
戦略的外交について、総理は、今回の訪問も含めてASEAN諸国との関係強化を着実に進めているが
一方で中国韓国との首脳外交は滞っている。中国には「対話のドア」は開いている、韓国とは「喫緊
の課題がない」というスタンスだが、状況の打開に向けて今後具体的にどのように取り組んでいくのか。

また、26日のバイデン米副大統領との会談で、同副大統領が沖縄県の尖閣諸島をめぐる問題で、日中
双方に緊張緩和に必要な措置を要請したが、これに対してどのように対応するつもりか。

 

(安倍総理)
日中関係は最も重要な二国間関係の一つ。隣国であるからこそ、様々な問題が生じるが、切っても切れ
ない関係であることを双方が認識の上、お互いに努力していくことが重要。
これこそが「戦略的互恵関係」であり、私の原点はここにある。中国もその原点に立ち戻ることを期待。
まずは、お互いが胸襟を開いて話をしていくことが大切。外交当局間の対話を進めるよう私から指示し
ている。条件を付けることなく、なるべく早く外相・首脳レベルの会合を持ちたいと考えている。
韓国は日本にとって基本的な価値と利益を共有する最も重要な隣国。現在、外交当局間での意志疎通
を図っているところ。冷静かつ静かな雰囲気の中において対話を通じて、両国関係を着実に発展させて
いきたい。パク・クネ大統領とは電話会談を行い、お互いの世代もだいたい同じである。是非首脳会談が
できることを楽しみにしている。
また、バイデン副大統領との会談では、まずはアジア太平洋地域の戦略的環境が変化をし、日米の同盟
の重要性が増している中で、日米の同盟関係をより強化するべきであると一致した。それを前提に、尖閣
における日本の立場については、十分に米側は理解しているわけだが、いわばエスカレートしないような
形で収束していくことを期待しているという話があった。日本は実際にエスカレートさせないように、我々
は冷静かつ毅然と対応をしていると説明した。
日本の立場や日本の対応の仕方については、米側も評価している。

 

フィリピン・スター紙 リー・ブラーゴ記者)
2006年の第一次安倍政権時は、フィリピンを「戦略的パートナー」と位置づけていなかったが、今は
フィリピンが戦略的パートナーであるとし、自由と民主主義の価値観を共有していると言っているが、
なぜ、フィリピンを重要視するようになったのか。これは、領土紛争が背景にあるのか。

 

(安倍総理)
日本とフィリピンは、元々6年前の第一次安倍政権のもっと前から、実質的には「戦略的パートナー」
だったと言えると思う。国際場裏においても、両国が互いに協力をして、アジア太平洋の様々な課題に
対応してきた。日本とフィリピンは海でつながる隣国として、長い友好の歴史を育んできた。
両国はアジア太平洋を、力ではなく法が支配する、自由で開かれた地域としていくことの戦略的利益を
共有している。
両国は、経済・人的交流の面で緊密な関係にあるのみならず、ともに米国の同盟国であり、安全保障の
面でも様々な形で協力してきた。フィリピンは、これからも信頼すべき重要なパートナーである。
政権発足後、早速、岸田外相が訪問し自分が今、フィリピンを訪問しているのは、その現れ、我々の政権
の意志と言ってもよいと思う。
今後とも、政治・安全保障、経済、人的交流とあらゆる分野でフィリピンとの関係を強化していきたい。

 

(共同通信 中久木記者)
消費税率の8%への引き上げについて総理は、4―6月期のGDP成長率などを見て秋に判断するとして
いる。一方で浜田内閣官房参与は「増税を急ぐことはない」という考えで、税率を1%ずつ緩やかに引き
上げる案を提案しているが、こうした案も含めて、複数の案を政府として検討する考えがあるのか。
関連して、8月上旬に中期財政計画が策定されるが、これは消費税増税を前提にした計画になる見込み
である。秋に消費税増税を判断するとなれば時期的なずれが生じるが、消費税増税判断の前倒し、ある
いは中期財政計画策定の先送りの可能性はあるのか。

 

(安倍総理)
まず、複数の案を出すようにとの指示はまだしていない。
消費税率の引上げについては、今年の秋に、附則第18条に則って、種々の指標を確認し、経済情勢を
しっかりと見極めながら判断していく必要がある。
しっかりと経済を成長させていくこと、あるいはデフレ脱却をしていくこと、同時に財政再建を進めていく
ことをしっかりと勘案しながら、経済の指標を見ながら、内閣として私が適切に判断していく。
中期財政計画については、9月上旬のサンクトペテルブルグ・サミットに出せるよう、来年度の概算要求
基準とあわせて8月に策定することとしたい。いずれにせよ8月に策定する中期財政計画は、2015年度
プライマリーバランス赤字半減目標の達成に向けた大枠を示すものであり、消費税率引上げを決め
打ちするようなものではない訳で、このことを決めることと、この中期財政計画の策定と消費税の判断の
時期については矛盾するものではない。あくまでも判断は今まで通り判断していく。
中期財政計画は、今申し上げた考え方にのっとって策定をしていく。

 

(AP通信 テベス記者)
日本は世界でも有数の海・空の防衛力を保持しているが、軍事力を最大限利用するには憲法が制約と
なっている。その意味で、憲法を改正する予定はあるか。
そして、領土を守るために防衛力を強化しながら、軍国主義の台頭だと懸念されないようにするにはどう
するのか。特に例えば中国フィリピン、第二次大戦中に侵略した国々からそうした懸念が起こらないよう
にしながら、どのように防衛力を強化するのか。

 

(安倍総理)
まず、私の考えの基本は、地域の平和と安定が日本のみならず、アジア太平洋の繁栄の前提であり、
同時に経済の繁栄が地域の平和と安定をもたらすというものである。
憲法改正については、「平和主義」、「国民主権」、「基本的人権」を当然の前提とした上で、現在の日本
にふさわしい憲法の在り方について議論を深めているところである。
国際社会全体の安全保障環境の変化を踏まえ、日本の安全を確保し、日米同盟、そして地域の平和と
安定に貢献していくとの観点から防衛大綱の見直しを行い「国家安全保障会議」の設置、集団的自衛
権の行使に関する検討等を進めていく考えである。
これらは他の国々、日本以外のほとんど全ての国々が当然に行いうることの一部を日本でも可能にしよう
とするものであり、平和主義が大前提である。地域諸国に誤解がなきよう、丁寧に説明していきたい。今回

の訪問を通じて、それぞれの首脳に説明をしてきたところである。
もう一つ付け加えれば、戦後、日本は米国とともに、アジアの平和と安定に大きく貢献をしてきた。
そして、これからもそのような役割を十全に果たしていく考えである。

 

 

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