筑紫の国の片隅で…

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日本人初のジョン・マドックス賞受賞に思う

1月7日付の産経新聞のコラム「新聞に喝!」は、医師の村中璃子さん(サイエンスジャーナリスト)が日本人として
初めてジョン・マドックス賞(英科学誌ネイチャーなどが主宰)を受賞した件について、日本のマスコミの扱いは如
何なものかという主旨のものでした。
また昨年12月28日付毎日新聞で、国際政治学者の三浦瑠麗さんがマスコミ・メディアの対応について批判的な内容を
述べています。確かに、12月2日に産経ニュースが小さな記事で報じた以外は、12月18日に朝日新聞が、19日に東京
新聞が報じたくらいです。
ジョン・マドックス賞が日本人に授与されるのは初めてですから、『ネイチャー』の持つ権威と国際的知名度からいっ
ても大々的に報道されて然るべきだと思います。
とはいえ、HPVワクチン接種による副反応を散々報道しネガティブキャンペーンを展開してきた日本のマスコミ・メデ
ィアにとっては、大々的に「報道したくない」というのが実情ではないでしょうか。
今回の受賞についてジョン・マドックス賞のHPによれば、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について“科学的に
正しい証拠に基づき多数の記事を書いた”として、ジャーナリストとしての功績に対して与えられたようです。
子宮頸がんの年間の罹患者数は1万人を超え、死亡者数も年間3千人近く。年齢別にみた子宮頸がんの罹患率は20歳
代後半から40歳前後までが高く、それ以降は横ばい。近年、罹患率、死亡率ともに若年層で増加傾向にあるそうです
(国立がん研究センターHP
「子宮頸がん」より)。
私はHPVワクチン接種には懐疑的な立場です。定期的な子宮頸がん検診を受診する方が、進行がんを防ぎ死亡を減らす
効果が高いと理解しています(国立がん研究センターHP
「子宮がん検診の勧め」より)。
しかしながらHPVワクチンその物を否定するものではありません。世界保健機関(WHO)が推奨し、世界の130ヶ
国以上においてHPVワクチン接種を行っていることからも、有用性は高いものだと思われます。
今回の村中さんの受賞をうけて、改めて医学的、化学的事実をもとにその効果とリスクを充分に検討したうえで情報を
公開し方向性を示す必要があるのではないでしょうか。


1月7日 産経「新聞に喝」

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2017年12月28日 毎日新聞東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171228/ddm/005/070/022000c
メディア時評 村中璃子氏受賞、なぜ報じない?
医師でジャーナリストの村中璃子(りこ)さんが英科学誌ネイチャーなどが主宰するジョン・マドックス賞を受賞した。
「公共の利益にかかわる問題について健全な科学とエビデンスを広めるために、障害や敵意にさらされながらも貢献し
た個人」への賞だ。
村中さんは、子宮頸がんワクチンの副反応とされる事例の根拠づけがいいかげんだとあらがった。このワクチン接種は
世界各国で実施されていて、接種した若年層が大人になれば子宮頸がんは大幅に減るだろう。しかし日本だけは子宮頸
がんは発症し続ける。「副反応」を訴える声に押され、政府が積極的勧奨を中止したからだ。親が適切な判断をしてく
れなかった少女たちは見捨てられる。子宮頸がんは性交渉を通じて感染するので、少女のうちの予防接種に多くの母親
がイメージだけで尻込みしたことは想像に難くない。
副反応の訴えが相次いだ時、毎日新聞やTBSなどは免疫システムに関連する特定の遺伝子を持つ人に副反応が起きる
との自説を展開する学者を取りあげ、ワクチンへの不信感を高めた。村中さんはその学者の説が科学的根拠に基づいて
いないと告発し、訴訟になっている。
新聞やテレビは受賞をほとんど報じていない。12月19日の朝日新聞朝刊は「英科学誌などが村中璃子氏へ賞 子宮
頸がんワクチン発信」という両論併記的な記事を載せたが、毎日新聞は21日朝刊のコラム「坂村健の目」において外
部識者が取り上げているだけだ。ジャーナリズムは、間違えた時の対応こそ真価が問われる。メディアが副反応の有無
を掘り下げないのは、副反応が一切存在しないことを証明できないからだろう。不存在の証明は、「悪魔の証明」でど
んなものでも不可能だ。新聞やテレビには、一方的な意見を散々報じたことへの反省はないのだろうか。
今回、科学者として名誉ある賞の一つを受賞した村中氏の活動とそこに与えられた国際的評価を、新聞やテレビはきち
んと取り上げてしかるべきだろう。 (三浦瑠麗・国際政治学者)

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2017年12月2日 産経ニュース
http://www.sankei.com/life/news/171202/lif1712020043-n1.html
ジョン・マドックス賞に日本人医師村中璃子氏
子宮頸がんワクチン問題について発信

英科学誌「ネイチャー」などが主宰し、公益に資する科学的理解を広めることに貢献した個人に与えられる「ジョン・
マドックス賞」の2017年受賞者に、子宮頸がんワクチン問題について積極的に発信してきた医師でジャーナリスト
の村中璃子氏が選ばれた。
ネイチャーの関連団体が11月30日、発表した。同賞は今回が6回目で、日本人の受賞は初めて。

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2017年12月18日 朝日新聞デジタルより
https://www.asahi.com/articles/ASKDL53DKKDLULBJ00J.html
子宮頸がんワクチンの安全性発信、村中医師が受賞
子宮頸(けい)がんワクチンの安全性を発信してきた医師でジャーナリストの村中璃子氏が、英科学誌「ネイチャー」
などが主催する「ジョン・マドックス賞」を受賞した。日本人として初という。受賞を受けて村中氏らは18日、都内
で会見を開いた。
同ワクチンは2013年4月に定期接種が始まったが、健康被害を訴える声が相次ぎ、国は同年6月、積極的な勧奨を
中止。被害を訴える女性らが国や製薬会社に裁判を起こしている。
一方、村中氏は副作用などを分析する厚生労働省研究班の発表内容について疑義を示す記事を執筆。名誉を傷つけられ
たとして研究班の代表者から損害賠償を求めて訴えられている。
賞は、困難に遭いながらも公益に資する科学的理解を広めることに貢献した個人に贈られる。今回6回目で世界25カ
国から100を超す候補者がいたという。村中氏は「この賞が勧奨再開に向けた議論のきっかけになれば」と話した。

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12月19日付
2017年12月19日 東京新聞
(村中璃子fbより)

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2017年12月21日 毎日新聞東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20171221/ddm/016/070/023000c
坂村健の目 「常識」を問い直す受賞
先月、医師でジャーナリストの村中璃子(りこ)氏が日本人として初めて、英国の科学誌ネイチャーなどが主宰する
「ジョン・マドックス賞」を受賞した。
「ネイチャー」は多くのノーベル賞級の業績を紹介し、自然科学系の研究者にとってはここに論文が載ることが目標
になるような世界トップレベルの学術誌だ。ジョン・マドックスは、時の権威に逆らうような研究を積極的に取り上
げ、議論を喚起するという英国的反骨精神で同誌を育てた名編集長だったという。
この賞が与えられるのも「公共の利益に関わる問題について健全な科学とエビデンスを広めるために障害や敵意にさ
らされながらも貢献した個人」。実際、今回の候補者リストにはその活動によって死刑宣告を受けたり、投獄された
り、暴力をふるわれたりしたという人の名前が並んでいる。未開の地での呪術医との戦いならともかく、先進国でそ
んなことが起きるものかと思うかもしれないが、過去6年の受賞者を見れば先進国も似たような問題を抱えているこ
とが分かる。
幼児期の性的虐待被害を告発する裁判で証言台に立ち、被害記憶の不確かさを指摘したことで「性犯罪者の味方か」
とたたかれた心理学者や、怪しい代替医療の問題を指摘して解雇されそうになった英国の研究者らが受賞している。
そんな中での村中氏の受賞だから、私は単純に喜べない。
先進国であっても、根強い固定観念に対峙する科学者やジャーナリストは、往々にして孤軍奮闘を強いられる。
この賞には、そういう人々を支える狙いもある。
村中氏の今回の受賞は、「怖い副作用を伴う危険な子宮頸がんワクチン」という日本特有の「常識」に異議を唱える
ジャーナリスト活動に対してのものだ。
2013年、ワクチン接種経験者に説明のつかない症状が出たと報じられたことがきっかけで、日本では接種との因
果関係が議論となり、積極的勧奨は中止された。世界保健機関(WHO)がこの現状を批判したり、日本の産科婦人
科学会や小児科学会などが積極勧奨の再開を求めたりしているが、再開の動きは鈍い。症状とワクチンの因果関係に
関しては、否定する声明は報じられても、この話題に関する多くの日本人の印象は「子宮頸がんワクチンは怖い」と
いうものだ。
そういう中で、批判した相手から訴訟を起こされながらも、このワクチンは危険だという「常識」に疑問を呈する発
信を続けた村中氏の受賞は大きい。ストップしていた氏の単行本も、受賞を機に出版が決まったという。
ワクチンを恐れる人たちの感情や不安は理解できるし、国や医療機関には不安に応える情報開示や丁寧な説明を求め
たい。一方で私が言いたいのは、「自分の頭で科学的に考えるようにしよう」ということだ。そして、そのきっかけ
となる今回の受賞は、もっと知られてもいいと思う。 (東洋大INIAD学部長)

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2017年12月16日 産経ニュースより
http://www.sankei.com/premium/news/171216/prm1712160022-n1.html
「産経と道新のみ」とツイートした医師・村中璃子氏
子宮頸がんワクチンの安全性を積極発信のワケ

英科学誌「ネイチャー」などが主宰し、公益に資する科学的理解を広めることに貢献した個人に与えられる「ジョ
ン・マドックス賞」の2017年受賞者に、子宮頸がんワクチンの安全性について積極的に発信してきた医師でジ
ャーナリストの村中璃子(りこ)氏が選ばれた。
ロンドンでの授章式を終えた村中氏に、この賞の意義やワクチンをめぐる日本の状況などについて聞いた。

■記事執筆は「女の子のため」
--村中さんは平成27年10月、雑誌「Wedge」で「あの激しい痙攣は本当に子宮頸がんワクチンの副反応
なのか」とする記事を執筆し反響を呼んだ。
激しく体を痙攣させる女の子の衝撃的な映像が報道されて子宮頸がんワクチンは怖いというイメージが社会に広が
り、厚生労働省も25年6月以降、積極的な接種勧奨を差し控えている。ところが、村中さんはそうした症状がワ
クチンの副反応ではなく、「思春期の少女にもともと多い病気の存在が顕在化した」と結論づけた。多くの賛同の
意見が寄せられた一方で、被害を訴える人たちを中心に反発の声も出た。なぜ記事を執筆したのか

「シンプルに言うと、女の子のためです。後になって、『大人は本当のことを教えてくれなかった』とショックを
受ける子や、子宮頸がんになる子がいるかもしれない。10代の一番いい時期に、女の子の健康がワクチン反対を
訴える大人たちの食い物になっているのが、医者である前にひとりの大人として許せないと思いました」
「記事を書く前は、こんなに闇が深い話だと思っていませんでした。テーマがテーマを呼び、医者でありながら他
の医者を取材し、医者でありながら患者を診察するのでなく取材することになりました。今回の受賞でも、肩書に
ついてはジョン・マドックス財団と相談し、サイエンス・ライターではなくサイエンス・ジャーナリストであると
いう表現になりました」


--授賞式のスピーチでは、記事に対する被害者団体からの抗議が、出版社の株主の社長室や株主の会社に影響力
のある政治家のところにも寄せられたと明かした。『元東京都知事の娘で被害者団体と親しいNHKプロデューサ
ーは私の住所や職場や家族構成を知ろうと熱心だった。私と家族には山のような脅迫のメッセージが届いた』とも
述べた。

「ジョン・マドックス賞は、逆風に遭いながらも公共の利益のため科学を世に広めた人に与えられる賞です。
6回目の今回、ノミネートされた人の中には、死刑宣告を受けたり家をなくしたり、その主張により投獄されたり
暴力をふるわれたりした人がいました。そんな中、なぜ私が受賞したのか。それは世界から見ても子宮頸がんワク
チン問題の社会的影響は大きく、多くの人の命に直接関わる話だからではないでしょうか」
「日本では28年7月、被害を訴える患者が、国と製薬企業に賠償を求める訴訟を起こしました。コロンビアでも、
世界で2カ国目となる国家賠償請求訴訟が起こされました。子宮頸がんにより、日本では毎年3千の命が失われ、
1万の子宮が摘出されています。国家賠償請求訴訟は終わるまで10年かかると言われています。もし裁判が終わ
るまで接種勧奨が再開されなければ、医師は10年間、子宮を摘出し続けなければなりません。そんな思いから、
受賞スピーチと来年刊行予定の本のタイトルを『10万個の子宮』としました」

(『10万個の子宮-あの激しい痙攣は子宮頸がんワクチンの副反応なのか』は平凡社から来年2月に刊行予定)

■「ライバル誌の記者も取材」
村中氏は12月4日の自身のツイッターで、「日本の新聞でマドックス賞を報じたのは結局、12月2日付の道新と
産経のみ。もう一紙取材を取っていた某紙は、記事は書いたのに日馬富士と天皇で没になったそう」とつぶやいた。
産経ニュースは12月2日16時31分に報じた。道新とは北海道新聞のこと。村中氏は北海道大学を卒業しており
掲載されたとみられる。

--今回の受賞、海外メディアの反応は

「英国メディアの反応は『日本では、そんなとんでもないことが起きているんだ』というものでした。反ワクチンの
メディアはひとつもありませんでした。英国では1998年、医学誌『ランセット』に『MMRワクチン(麻疹、お
たふくかぜ、風疹ワクチン)が子供の自閉症を引き起こす』とする誤った論文が掲載され、後に撤回された経験があ
ります。このときもワクチン接種率は下がりましたが、それでも9割が8割になっただけでした。
ところが、日本では約7割だった子宮頸がんワクチンの接種率が、わずか1%未満になっています。海外のメディア
はこの数字を驚きをもって受け止めていました。ネイチャーの賞なのに、ライバル誌である『サイエンス』の記者も
取材してくれました」
「日本のメディアは、これまで被害者の記事ばかり書いてきました。日本人の受賞なのに、今回の受賞を取り上げた
国内メディアは少なく、日本が海外から取り残されているのを感じます。サイエンスの分野で、専門家と社会をつな
げる記事を書ける人を育てる必要があります」
「とはいえ、メディア批判はしたくありません。トルコの海岸に打ち上げられた3歳のシリア難民の男の子の写真が
難民問題から目を背けていた欧州の人たちの意識を変えたように、メディアには大きな力があります。
私自身もメディアを使ってものを言ってきました。できれば自分が書いた記事だけで社会を動かしたかったけれど、
この受賞が話題になり、また子宮頸がんワクチン問題に関心が集まったことは良かったと思います。これからも、子
宮頸がんワクチン問題に限らず、科学と真実に基づいた発信を続けたいと思います」


●日本では集団訴訟
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を
予防するワクチンのことだ。筋肉注射で3回接種する。小学6年から高校1年に相当する女子を対
象に、平成22年11月から補助事業として無料接種が始まり、25年度からは予防接種法に基づ
く定期接種となった。しかし、体のしびれや痛みなど接種後の副反応として知られていない症状が
報告されたとして接種を促すはがきを送るなどの積極的な勧奨は同年6月から差し控えられている。
世界保健機関(WHO)や日本産科婦人科学会は、子宮頸がんの患者が増える恐れがあるとして、
勧奨再開を求めている。一方、接種が原因で健康被害を受けたとして、東京、大阪、名古屋、福岡
の4地裁では国と製薬会社2社を相手取り集団訴訟が起こされた。原告は計124人に上る。


〈むらなか・りこ〉 一橋大学社会学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。
北海道大学医学部卒。WHOの新興・再興感染症チームを経て、エボラ出血熱から
水素水まで幅広く、科学・医療分野の執筆・講演活動を行う。京都大医学研究科の
非常勤講師も務める。


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ジョン・マドックス賞受賞スピーチ全文「10万個の子宮」

世界では毎年、53万人が子宮頸がんと診断され27万の命が失われている。現在では子宮頸がんを防ぐワクチンがあり、
世界130カ国以上で使われているというのに。
しかし、近い将来、ワクチン接種率の高い国では、子宮頸がんは歴史の本でしか見つからない過去の病気となるだろう。
けれども、その道のりは決して簡単ではない。
2013年4月、子宮頸がんワクチンは日本でも定期接種となった。ところがそれから2か月後、日本政府はこのワクチン
を定期接種に定めたまま積極的接種勧奨を「一時的に」差し控えるという奇妙な政策決定を下した。
けいれんする、歩けない、記憶力や成績が落ちた、不登校になったなどという訴えが相次いだためだ。
脳波に異常のない「偽発作」に代表されるように、小児科医たちは思春期の子供のこういう症状は子宮頸がんワクチン
が世に現れる前からいくらでも見てきたと言った。厚生労働省の副反応検討部会も、副反応だと訴えられている症状は
ほぼ間違いなく身体表現性のものだろうという評価を下していた。
親たちは娘の痙攣する姿や車椅子姿を携帯電話やスマートフォンで撮影し、インターネットに投稿した。メディアから
の取材にも積極的だった。大多数のまっとうな医者たちは「心ない医者に、心の問題だと言われた」などと激しく批判
されて面倒になり、みんな黙ってしまった。
世界中どの国でも、新しいワクチンが導入されればそれに反対する人は必ず出てくる。しかし日本には、他の国にはな
い厄介なことが2つあった。ひとつは、政府がサイエンスよりも感情を優先した政策を取ったこと。
もうひとつは、わざわざ病名まで作って、子宮頸がんワクチンによって引き起こされたという薬害を唱える医者たちが
登場したことだ。その名はHANS(ハンス)、子宮頸がんワクチン関連免疫異常症候群。
HANSを唱える医師たちの主張は、患者の訴えと印象に基づいており、決して、エビデンスを示すことはなかった。
代わりにエビデンスを示せないのは、現代医学が十分ではないからだと糾弾した。しかもHANSは「ワクチン接種から
何か月、何年経っても起き」「消えてもまた現れ、一度なったら決して治らない」のだという。
昨今、科学的根拠に乏しいオルタナティブファクトが、専門的な知識をもたない人たちの不安に寄り添うように広がっ
ている。私は医師として、守れる命や助かるはずの命を危険にさらす言説を見過ごすことはできない。書き手として、
広く真実を伝えなければならない。これが、メディアに執筆を始めたきっかけである。
子宮頸がんワクチン問題は、エボラ出血熱から水素水まで、私が取り扱ったさまざまなテーマのひとつに過ぎない。
この問題が、原子力爆弾のように何千・何万もの人々の命を危険にしていると気づいたのは、1本目の記事を出してか
らのことだ。私はただ真実を書いてきただけであり、このワクチンを推奨するために書いたことは一度もない。
最初の記事がビジネス誌「Wedge」の誌面とオンラインに掲載されたのは2015年10月だった。この記事は文字どおり
数百万の人々に読まれ、子宮頸がんワクチンの安全性に関する議論を再開させるきっかけとなった。その後も私は取材、
調査を続け、このテーマで20本以上の記事を発表した。
メディアを通じて、子宮頸がんワクチンの危険性を煽るミスリーディングな映像とストーリーが日本社会に広まってい
ったある日、厚労省が指定した子宮頸がんワクチン副反応研究班の主任研究者で信州大学の元教授だった神経内科学医、
池田修一氏が、厚労省の成果発表会である衝撃的なマウス実験の結果を発表した。池田氏は当時、信州大学の副学長で
医学部長を務めていた人物である。池田氏は「子宮頸がんワクチン」と書かれたマウスの脳切片だけが緑に光る、白い
円でその部分を強調した画像を見せながらこう言った。
「明らかに脳に障害が起きている。子宮頸がんワクチンを打った後、脳障害を訴えている少女たちに共通した客観的所
見が提示されている」
池田氏によれば、インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン、子宮頸がんワクチンをそれぞれマウスに接種して10
か月後に脳を観察したところ、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳だけに異常な自己抗体が「沈着」したという。
池田氏のこの発表は、夜の人気ニュース番組でも放送された。それから2週間後の3月末、子宮頸がんワクチンの被害
を訴える人たちが、日本政府とワクチン製造企業を相手取った集団提訴を予告する記者会見を行った。
日本政府は積極的接種勧奨の「一時的」差し控えを継続。そして、「一時的」が3年にも及んだ昨年7月27日、日本政府
は世界初の子宮頸がんワクチンによるものだという被害に対する国家賠償請求訴訟を起こされた。
数か月にわたる調査の末、私はマウス実験をデザインし実施した研究者を探しだした。研究者は私に、池田氏が発表し
た脳切片は実はワクチンを打っていないマウスの脳切片だと語った。ワクチンを打ったのは数か月の加齢だけで自己抗
体が自然にできる非常に特殊な遺伝子改変マウスだった。このマウスから自己抗体たっぷりの血清を採り、別の正常マ
ウスの脳切片にふりかけ写真を撮ったという。用いたマウスの数は各ワクチンについて「マウス1匹」。投与したワク
チンはヒトへの投与量の100倍だった。私は池田氏が発表したこの実験を「捏造」と書いた。
池田氏は「他の研究者がつくったスライドセットから1枚のスライドを引用しただけなので、捏造とは名誉棄損である」
といって私を訴えてきた。池田氏の弁護士は「争点は、子宮頸がんワクチンの科学の問題ではなく、捏造という表現の
問題だ」と主張した。池田氏の弁護士は、日本における主要薬害訴訟で原告側に立ち、中心的な役割を果たしたことで
有名な人物である。被害者団体の行動は非常にプロフェッショナルだった。抗議の行き先はメディアの編集部ばかりで
はなかった。時には出版社の株主の社長室であり、時には株主の会社に影響力のある政治家のところだった。
元東京都知事の娘で被害者団体と親しいNHKプロデューサーは、私の住所や職場や家族構成を知ろうと熱心だった。
私と家族には山のような脅迫のメッセージが届いた。メディアは私を使うのを止めた。連載はすべて打ち切られた。
刊行日が公表され、著者近影の撮影も終わり、表紙と帯までできていた書籍の刊行も中止となった。その後、日本を代
表する8つの出版社に刊行を打診したが、すべての出版社が同じことを言った。「非常によく書けた、読み応えのある
作品です。でも、今はわが社からは刊行できません」
日本では毎年、3000の命と1万の子宮が失われている。母校北海道大学で講演をした際、ひとりの若い産婦人科医
が私にこう尋ねた。「僕たちだけあとどのくらい子宮を掘り続ければいいんですか」。子宮を「掘る」、すなわち子宮
を摘出するという意味だ。
日本では、国家賠償請求訴訟が終わるまでには10年を要すると言われる。また、訴訟が終わるまで、接種再開を決断
できる首相や官僚は出ないだろうとも言われる。
よって、もし子宮頸がんワクチン接種再開まであと10年を待つ必要があるとすれば、日本人の産婦人科医は、いった
いいくつの子宮を掘りだせばいいのだろうか。答えは「10万個」だ。
掘り出した10万個の子宮を想像してほしい。その持ち主である女性たち、そこから生まれ母を失った子どもたちを。
そこから生まれてくるはずだった子供たちを。
一方、私の古巣でもある世界保健機関(WHO)のワクチンの安全性に関する諮問委員会GACVSは、今年7月に出
した子宮頸がんワクチンに関する最新の安全性評価をこう結んでいる。 “科学的分析とは裏腹に、世界では症例観察に
基づく誤った報告や根拠のない主張が注目を集めている。合理的根拠に乏しい主張によって接種率の低下する国が増え、
実害をもたらしていることに対し委員会は引き続き懸念を表明する。今後もモニタリングを続け、大規模データの解析
を通じてワクチンへの信頼を維持していくことが大切だが、その過程で結論を焦り、文脈を無視した、確たるエビデン
スのないアーチファクト(二次的な事象)が観察されることがある。これこそが「挑戦」だ”
長く大変な道のりだった。しかし、私は今日、このような素晴らしい賞を受賞することができた。
私はこの2017年ジョン・マドックス賞を与えられたという事実を、こうした子宮頚がんワクチンをめぐるアーチフ
ァクトやオルタナティブファクトに対し、世界中で行われている挑戦の象徴として受け止めている。
しかしながら、この場を借りて1つだけお願いしたいことがある。今週に入ってから、9番目に話をした出版社である
平凡社から、本の刊行を決定したという連絡をもらった。本はできている。私の夢はこの本が、世界中の病院やクリニ
ックの待合室に置かれて読まれることである。ぜひ海外の版元にもこの本の翻訳・刊行をお願いしたい。本のタイトル
は「10万個の子宮」という。
推薦してくれた日本産婦人科医会の木下勝之先生、石渡勇先生、北海道大学小児科の有賀正先生、国立成育医療センタ
ーの五十嵐隆先生に感謝します。私を信じてくれた京都大学医学研究科の本庶佑先生、松田文彦先生、ウェッジ元編集
長の大江紀洋さんと、私の次の仕事を辛抱強く待っていてくれる読者の皆さんに感謝します。そして何よりも、私の不
在と上の空に耐え支えてくれた家族と、このような形で私に名誉を与えてくれたジョン・マドックス賞関係者の皆さん
に心からの感謝の意を表します。 本日はこのような名誉ある賞をいただき、本当にありがとうございました。
(2017.11.30, London)
https://note.mu/rikomuranaka/n/n64eb122ac396

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村中璃子fb 
https://www.facebook.com/rikomuranaka



< 参考として >
2017年12月1日 BuzzFeedNEWSより

海外の一流科学誌「ネイチャー」
HPVワクチンの安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子さんを表彰

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/rikomuranakajohnmaddoxprize?utm_term=.dfjKXrRo7P#.whR7apyBZd


2017年12月18日 記者石井孝明のブログより
10万個の子宮が奪われる-子宮頸がんワクチン騒動、会見で見た悲しみと希望
http://blog.livedoor.jp/ishiitakaaki3/archives/5786575.html


2018年1月5日 BuzzFeedNEWSより
「命を守るのに躊躇はいらない」子宮頸がんを経験した政治家がワクチン再開を訴える理由
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/hpvv-junkomihara-1?utm_term=.lw3PYyRn7k#.ggMNY6zow0





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敬頌新禧

平成29年 丁酉(ひのととり)

皆様、明けまして御目出度うございます。
皇紀2677年を迎えるに当り、皆様の平安とご多幸を祈念申し上げます。

酉年 恭賀新年







テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済

皆様、良いお年を

本年も拙ブログに、多くの皆様方に訪問いただき、本当にありがとうございました。
今年は思うように時間がとれず、書きたい事の半分もアップすることが出来ませんでした。
天皇陛下の「譲位」のお言葉には、敢えて個人的な意見を書くことは控えました。
畏れ多いとともに、知識薄弱な者が2600年以上の伝統を紡いできたご皇室に対して、
あれこれと言えるものではない、と判断した次第です。

今年も産経新聞の『号外で振り返る平成28年』より、個人的に印象深かった記事を選ん
でみました。


2016年産経号外88
読売新聞の読者が選ぶ「日本10大ニュース」
では4位でした



2016年産経号外416  2016年産経号外527  2016年産経号外69


2016年産経号外624  2016年産経号外1027  2016年産経号外118


2016年産経号外119  2016年産経号外1216  2016年産経号外1228


<テロ関連>
2016年産経号外322テロ  2016年産経号外613テロ  2016年産経号外73テロ


2016年産経号外715テロ


<スポーツ他>
2016年産経号外 番外






テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済

「勤労感謝の日」に思うこと

11月23日は「勤労感謝の日」。祝日法では「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」
となっています。 戦前の祭日だった「新嘗祭(にいなめさい)」に由来します。
新嘗祭は新穀の収穫を祝い、翌年の五穀豊穣を祈念する収穫祭で、1300年以上まえ、皇極天皇(飛鳥時代)
の時代に始まったと伝えられ、万葉集の和歌でも詠われています。
宮中では、身を清められた天皇陛下が神々に新穀を供えて一年の収穫を感謝するとともに、自らも食すること
により、国に稔りをもたらす力を得られるとされています。朝廷だけでなく、全国各地の農村においても新穀
への感謝の祭りが行われてきました。いわば、皇室と民間とが一体となった秋の「感謝祭」なのです。


kinen.jpg


11月23日は、1873(明治6)年の太政官布告により1947(昭和22)年までは「新嘗祭」という
祝祭日でした。1948(同23)年に「国民の祝日に関する法律」により「勤労感謝の日」になりました。

祝日と祭日



2016年11月21日All About NEWSより
http://news.allabout.co.jp/articles/c/466319/
11月23日は「勤労感謝の日」 その由来は?

2016年11月23日は「勤労感謝の日」。「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」
という趣旨で制定された国民の祝日ですが、なんとなく掴みどころがないと感じている方も多いでしょう。
そもそも由来は何なのか? 意外と知らない「勤労感謝の日」について説明します。

■勤労感謝の日」の由来~新嘗祭
「勤労感謝の日」は、新嘗祭(にいなめさい)という祭祀に由来します。
「新」は新穀、「嘗」は奉る、舌の上にのせて味をためすという意味で、「新嘗」はその年に収穫された新
穀を神様に奉って恵に感謝し、口にすることを表しています。新嘗祭の歴史は古く、『日本書記』には飛鳥
時代に行ったという記述があります。現在でも新嘗祭は宮中をはじめ全国の神社で行われており、五穀豊穣
を祈願する祈年祭と相対する重要な祭祀とされています。とくに宮中では、天皇陛下が自らお育てになった
新穀を奉るとともに、その新穀をお召し上がりになります。新嘗祭は宮中恒例祭典の中の最も重要なものと
され、新天皇が即位の礼の後、初めて営まれる大規模な新嘗祭を大嘗祭(だいじょうさい)といいます。
新嘗祭が「勤労感謝の日」になったのは1948年(昭和23)で、戦後のGHQの占領政策により改められ
ました。

■なぜ11月23日なの?
「勤労感謝の日」のもとになっている新嘗祭は、旧暦では11月の第2卯の日に行われていましたが、のち
に11月23日に固定され、「勤労感謝の日」に引き継がれました。日付が11月23日になった理由は、
新暦の導入にあります。1873年(明治66)に太陽暦(グレゴリオ暦)が導入された際、旧暦11月の
第2卯の日を新暦にあてはめると翌年の1月になってしまうため、新暦の11月第2卯の日で行うことにし
ました。それが11月23日だったのです。そして、翌年からは日付が変動しないよう11月23日に固定
され、現在に至ります。

■感謝の気持ちを表して
古来、日本人は命を支える「食」を大事にし、神聖なものとしてきました。そして、祭事を通して天の恵み
に感謝をささげてきました。まつり(祭り、祀り、奉り、政り)の原点もそこにあります。
農耕を営み、米を主食とする日本人が、新嘗祭を最も重要視したのも頷けることでしょう。
このような日本人の感性は、日常にも息づいています。おいしいご飯がいただけることに感謝するだけでな
く、食事に至るまでの多くの人の働きにも感謝をしたい……こうした思いを表したのが、「いただきます」
「ごちそうさま」ということばです。
(「いただきます」「ごちそうさま」の意味 https://allabout.co.jp/gm/gc/390299/

現在は農作物に限らずすべての生産を祝い勤労をねぎらう「勤労感謝の日」になっていますが、その由来か
ら、日本人が育んできた深い思いや感謝の念を感じることができます。 (三浦 康子)

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2015年12月23日 産経ニュースより
http://www.sankei.com/region/news/151223/rgn1512230001-n1.html
神道の命運左右した「視察」
GHQに新嘗祭見せよ…占領政策から神社守った宮司の戦い
連合国軍総司令部(GHQ)の占領下にあった日本で、神社の命運を左右した「視察」が70年前、所沢市の
中氷川神社で行われた。GHQによる国家神道への実態調査で、昭和20年12月15日に発令された神道指
令に大きな影響を及ぼしたとされる。準備期間はたった3日。進駐軍への恐怖を抱きながら、視察を受け入れ
た宮司の静かな戦いがあった。 (さいたま総局 川峯千尋)

■「神社を破壊すべき」過激意見もあったGHQ
「3日後に、新嘗祭を総司令部の係官に見せてほしい」。同年11月22日、中氷川神社の山口文治宮司=当
時(60)=は、突然来訪した内務省神祇院考証課の宮地直一課長=同(59)=からこう告げられた。
当時、神道は「国家神道」として優遇され、宗教ではないとみなされていた。一方、日本の非軍事化・民主化
を進めていたGHQ内では、天皇を頂点とした精神的な団結力が日本人を戦争に突き動かしたという考えから、
日本人の精神的改革のため「神社を破壊すべきだ」という過激な意見もあった。
教育・宗教を所管した民間情報教育局(CIE)は神道に対する日本人の考え方を知ろうと靖国神社(東京)
を視察。さらにケン・ダイク局長は、CIE顧問を務めていた宗教学者、岸本英夫氏=同(42)=に「どこか
民間の神社の祭りを見たい」と希望を出した。条件は「11月25日、場所は司令部からジープで1時間以内」
だった。

■神主苦悩「万が一あれば累は全神社に及ぶ」
宮地課長を通じて白羽の矢が立ったのが、中氷川神社だった。現在の朝日達夫宮司(67)は「社格制度で県社
として認められていたことや、宮地さんが神社を訪れていたことで選ばれたのではないか」と推察する。
その宮地課長は「万一、悪い印象を与えれば全神社の浮沈にも関わる。そういう事情をくんで、どうか引き受
けてほしい」と頼み込んだ。辞退したものの、押し問答の末に視察を受け入れた山口宮司は、手記で「軽々し
く引き受けられるものではなかった。万一のことがあれば、自分の身はどうあれ、その累は全神社に及ぶのだ」
と苦悩をつづった。
「新嘗祭を3日で準備するなんて、常識じゃ考えられない。ましてや『鬼畜米英』と恐れられた時代です」と、
朝日宮司は先代の決断に思いを馳せる。
「祭典に関しては誰も絶対に口出しはしない」。それが山口宮司の出した条件だった。
「命がけで奉仕するのに、いちいちだめ出しをされたら到底務められない」。決意の下に、氏子総代や家族を
巻き込んだ嵐のような3日間が始まった。

■「外国人正座できない」食材集めに奔走も
連合国軍総司令部(GHQ)の視察を引き受けた中氷川神社(現所沢市)の山口文治宮司=当時(60)=は、
すぐに地域の氏子総代を集めて事情を説明し、新嘗祭の準備に取りかかった。
戦後の困窮の中で、お供え用の野菜や魚は氏子らが持ち寄り、酒は国の機関である神祇院などから提供され
ることになった。「外国人に正座はできないだろう」と、戦時中、境内に滞在した陸軍通信隊が残した机を
直会(なおらい)の会場に並べた。外国人用の仮便所も作った。
つい先日まで「鬼畜米英」と呼んだ相手をもてなすため、人々は奔走した。

■「娘たちにいたずらされたら…」
難題は、舞姫だった。新嘗祭に奉納舞は欠かせない。しかし、「娘たちにいたずらでもされたら大変だ」と
誰もが怖がった。「そこで山口姉妹の出番だったんです」と笑うのは、山口宮司の四女、平野順子さん(75)
だ。5歳だった平野さんは、4人姉妹の姉が踊ったのを覚えている。社務所に疎開していた宮内省楽部の多
(おおの)忠朝楽長=同(62)=の娘も舞姫にかり出された。
迎えた昭和20年11月25日。ジープで乗り付けた民間情報教育局(CIE)の一行は、出迎えの町長ら
に機嫌良く日本式の礼を返した。怖いもの見たさか、神社には町中の人が集まって視察の様子を見守った。

■酒を「飲んだふり」で必死のもてなし
拝殿で行われた奉納舞では多楽長が呼んだ宮内省の楽人の演奏と立派な装束が娘たちをあでやかに演出した。
「ワンダフル」。視察を担当したCIEのケン・ダイク局長らはCIE顧問の岸本氏の説明に興奮した様子
で、祭典の様子を写真に収めた。一行は直会で用意された赤飯や煮魚をきれいに平らげ、大きな湯飲みで酒
を何杯も飲み、氏子らは飲んだふりをして少ない酒を回した。
視察を終えて車に乗り込む際、一行の1人が平野さんを抱き上げた。日本人側に緊張が走った。が、ドロッ
プやガムを渡すと優しく抱き下ろし去っていった。「父は私が泣いたら終わりだと思っていたそうです」。
幸い、幼児は笑顔で一行を和ませた。岸本は手記に「歓を尽す。司令部側に対して、よき知識を供給」と記
している。

■ファシズムの施設と全く違う
約3週間後の12月15日、発令された神道指令は政教分離を徹底させたが、神社の取り壊しといった日本
人の精神文化の破壊には踏み込まなかった。
国学院大の大原康男名誉教授(宗教行政)によると、発令までにCIEが視察したのは靖国神社と中氷川神
社だけで、「厳かで優雅な神社の祭典を視察して、ナチズムやファシズムといった全体主義的な施設とは全
く異なるものだと実感したのだろう」と視察の影響を指摘している。

【神道指令】
昭和20年12月15日、GHQが政府に対して発した指令
「国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件」
の略称。
ポツダム宣言で認められた「信教の自由」を前提に、政教分離を目的として出された。
神社を国が管理する「国家神道」を廃止し、神社は宗教法人として存続することになった。



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申年 政界展望

1月1日付の産経新聞の5面(総合)面に<平成28年版申年「政界」展望>と題して、過去の申年を振り返り28年の政界を
占った面白い記事がありました。
確かに過去の申年には日本の岐路となるような重要な事が起きており、今年も何か起こりそうな予感がしないでもありません。
衆参同日選挙が行われるかもしれません。ロシアのプーチン大統領の来日を契機として平和条約締結と北方領土問題解決が現実
味を帯びるかもしれません。また、国内で大規模なテロ事件が起きる可能性も否定できません。

1月1日 産経 政界展望

  1月1日 産経 政界展望01
  1月1日 産経 政界展望02



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